このページは国際安全衛生センターの2008/03/31以前のページです。
NSC発行「Safety + Health」2000年9月号

OSHAの最新情報



基準設定の合理化をOSHAに要求

 国家労働安全衛生諮問委員会は、新基準起草の長く煩雑な仕事を合理化するよう、OSHAに強く要請した。
 
 同諮問委員会の報告書はまた、議会は法律を変更して、現行の6ヶ月ではなく、2年間有効とする、緊急臨時基準をOSHAが公表できるようにすべきであると勧告している。

 使用者もまた、緊急基準を「忘却」させる法的手段を講じることができたし、また重要な臨時規則は、もっと簡単にOSHAが採択できるようにすべきだ、と同諮問委員会の委員を務める、全米製鋼労働組合のマイケル・ライト安全衛生部長は語った。同委員会は、「現在の(反OSHA的な)政治情勢でも実行しうる」手段を勧告しようと努めていると、同氏は述べた。

 国家労働安全衛生諮問委員会は、OSHA内部での検討段階毎に、基準に価値と責任を付与するなど、規則作成の過程管理により効果的なシステムを考案すべきであると語った。厳格な期限を設け、期限を守らない管理者には責任を取らせるべきである。規則案作成事前通告(ANPR)は、情報収集が必要な場合、もしくは、OSHAが規則作成の開始を発表する場合にのみ用いることとし、OSHAは、ANPRコメント期間終了後1年以内に、基準が不要もしくは不可能である場合を
除いて、基準案を発行することとせねばならない、とも同委員会は述べた。

 同委員会のその他の勧告は、以下のとおり。
総力を結集し、目標達成を確実にする、基準開発管理センターの設置。
安全衛生プログラム基準をできるだけ速やかに発行し、引き続いて医学的監視や職場での暴露モニタリングを含む「積み木」基準を出す。新しい衛生基準毎に、これらの問題を別々に考慮しないで済むようにするのである。
国立労働安全衛生研究所(NIOSH)は、コメントを提出したり、公聴会で証言するにとどまらず、OSHAの規則作成を積極的に支援する役割を果たさねばならない。
OSHAは、優秀な技術スタッフの採用、支持、雇用の維持に関し、より良い方法を考案すべきである。
利害関係者委員会の委員少数のみの利用も含め、基準作成諮問委員会、交渉委員会をもっと有効に活用する。OSHAは、委員会から勧告、もしくは、コンセンサスを得なかったとの回答を受けたのちは、可能な限り早く規則を提案すべきである。
コンセンサス基準設定団体との有効的なパートナーシップおよび専門家団体連絡事務室の再設置により、基準起草プロセスの強化を図る。

 同委員会は、過去7年間に、重要な基準は起案または完成されていないことに留意。同委員会で、具体的な基準の開発シナリオを討議中、自動車労働組合のランディ ラビノウィッツ氏は、OSHAは法的な挑戦を免れる基準の設定を試みてきたが、それは不可能だと思うと語った。大企業団体のひとつ、団体資本顧問のフランク ホワイト副会長は、利害関係者会議は、「利害関係者を喜ばす」以上のものにせねばならない、そうすれば、終盤で番狂わせもないだろう、また、基準の提案、完成をより速やかにせねばならない、と語った。