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NSC発行「Safety + Health」2000年9月号

OSHAの最新情報


MSHA、粉炭採集の専管を提案

 鉱山安全衛生庁(Mine Safety and Health Administration : MSHA)は、坑内労働者を有害な粉炭から保護するため、規則の改正を提案した。これには、30年間、炭鉱操業者に義務付けていた空気採集、試験を同庁の所管業務とすることも含まれている。

 ダビット・マカティア鉱山安全衛生担当労働副長官(Davitt McAteer, assistant secretary of labor for mine safety and health)によると、これらの変更は、黒肺病(black lung disease)や珪肺(silicosis)を防止するための再構築システムの要である。同庁によれば、粉じん採集をMSHA監督官の職務に組み込むとする提案は、不正サンプリングや吸入性粉炭を不当に低く報告する例が多発したことに、幾分、端を発する。

 当局は、また、炭鉱の換気計画を承認する前に、より現実的な生産レベルで、炭鉱操業者による粉じん管理対策の効果を検証する。監督官は、複数シフトでのサンプルの粉じん濃度の平均をとるのではなく、単シフトの粉じん濃度が、許容濃度を超えただけでも召喚状を発行することができるようになる。

 最後に、可能な全ての工学的管理でも衛生基準を十分に満たさない場合は、長い坑道での操業においては、工学的管理を補完するため、顔にぴったりと装置しないですむ、電動ファン付き呼吸用保護具の利用および交替制勤務を、暫定的に許可される。

 「規則改正案については、いくつかの点が、掘り下げ不足であると懸念している」と、米国鉱業労働者連盟(United Mine Workers of America : UMWA)のジョー メイン安全衛生部長は言った。「もっと採集」する必要がある、MSHAは、操業者が実施している年間30シフトの採集を取り消す一方、同庁は、現行の年間6シフトと同じ、最小限の回数だけ採集を行うとしている、と同氏。最大許容粉じん濃度は倍になる、とも付け加えた。

 米国瀝青炭鉱操業者団体(Bituminous Coal Operators of America)のスポークスマン、モリー フエイブッシュ氏は、MSHAが粉じん採集の責任を負おうとも、「全く問題なし」と語った。さもなければ、同団体は、規則改正案を分析しなければならないところだが、「我々は、全ての点で賛成することはないと請け合う」と語った。 アル カー