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NSC発行「Safety + Health」2000年10月号
OSHAの最新情報
委員会、より安全な化学工程安全規則の作成を勧告
米国化学物質安全性調査委員会(U.S. Chemical Safety and Hazard Investigation
Board : CSB)は、化学反応工程の安全性を十分保障する、より厳格な基準を作成するよう、OSHA(労働安全衛生庁)および環境保護庁(EPA)に要請した。
同委員会は、調査機関であり、ニュージャージー州のパターソンにあるモートン・インターナショナル社の爆発事故に関する報告書の一部として、勧告を発表した。この事故では、9名の労働者が死亡、近隣の地域社会に有毒な化学物質が散布された。モートン社は、現在、フィラデルフィアのローム&ハース社の子会社となっている。化学物質安全性調査委員会は、OSHAとEPAは、化学工程安全の達成に向け、企業をよりよく支援する共同指針を発表すべきだと述べた。指針は、標準的な作業からの逸脱の調査と報告、化学的ふるい分析技術の利用、圧力放散の適切な設計、緊急冷却、安全インターロックシステムを含むこととする。
同委員会は、また、OSHAとEPAに対し、化学反応工程安全の「危険調査」に同委員会および他の化学安全団体とともに参加するよう要請した。調査は、一連の関連事故を調べ、共通の事故原因を特定し、世界の化学産業に役立つ勧告を提言しようとするものである。
勧告のなかで、同委員会は、モートン社に対し、化学反応安全情報および作業経験について、社内の適当な部課で共有するプログラムの作成、工程危険管理器具、作業手順および訓練の改良、警報装置、安全手段、焼入れまたは化学的排出システムの設置を提言している。
OSHAは、ニュージャージー州の爆発事故で、モートン社に対し、5千ドルの罰金を課した。
一方、OSHAは、ミシシッピー州モスポイント工場での労働者1名の死亡事故で、モートン社を26件の安全衛生違反で召喚、11万8千5百ドルの罰金を要求した。同州ジャクソン市のOSHA地域事務所長によれば、労働者は、新工程の導入の際、予期せぬ硫化水素の発生で、呼吸器具を装着していなかったため、中毒を起こした。
当局は、窒息の危険へ労働者をさらした、容器に調整弁を備えなかった、呼吸器具、保護めがねを用意しなかった、労働の変更の管理手順を書面で用意しなかった等々の違反で、モートン社を召喚した。
モートン社は、化学物質安全性調査委員会の勧告に基本的に合意し、その大半をパターソン工場で実行に移したと語った。ローム&ハース社スポークスマンも、ミシシッピー工場の違反については、大半を改めたと語った。
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