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時間節約の近道が印刷作業の負傷のリスクを高める

資料出所:National Safety Council発行「Safety + Health」2000年11月号 p.22〜23

(訳 国際労働安全衛生センター)


イギリスの安全衛生庁(HSE)は、報告されるすべての職場の事故の50%以上が機械に関連したものであり、この40%で印刷機が関係すると述べている。

多くの印刷機による負傷はむら取り中、クリーニング中、メンテナンス中に生じる。これは、こうした作業が、機械の中に手を伸ばすために連動した安全装置を解除し、電源を入れたままプレスローラーを回転させた結果、手足を切断したり潰したりする危険があるからである。

新しいHSEのガイドラインは、印刷機に関して厳しくなった欧州連合の安全法に従い、二人一組で作業を行うことと、手を離すと電源が切れる「運転維持」スイッチの使用に重点を置いた。

イギリスのグラフィカル・ペーパー・アンド・メディア組合の安全担当職員バド・ハドスピス(Bud Hudspith)は、このHSEガイドラインを支持している。その核となるのは、「ラン・ストップ・クリーン」法であり、クリーニング中に印刷機を「クローリング」(継続的な低速運転)させる方式ではない。クリーニングが事故の主な原因であるにもかかわらず、「ラン・ストップ・クリーン」は時間の無駄であるとみられることが多いため、実践されないことが多い。

「小規模な企業では特に、熟練した印刷工は、負傷はもってのほかで、会社にとってもっとも重要な資産であり、代わりを見つけるのは困難です」と、ハドスピスが言う。最新式の機械は安全装置を解除せずに操作できるか、機械に自動クリーニング機能がある。


(訳注) むらどり(make-ready)とは、鮮明に印刷されるように、組版の高低を補正調整すること。