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NSC発行「Safety + Health」2000年12月号

OSHAの最新情報



OSHA、フイリップ社工場、他2社に高額の罰金を要求

 OSHAは、先日、製造会社3社に対し、各社のテキサスの施設での安全違反で、あわせて5百万ドル以上もの罰金を要求した。 

 当局は、テキサス州パサデナ近郊にあるフィリプス・ケミカル社のヒューストン化学工場に対して、50件の規則違反により250万ドルの罰金を提示した。これには、工場の作業員訓練や工程安全管理の不履行、ロックアウト・タグアウト、その他30件の故意の違反が含まれる。フィリップス石油社とシェブロン社の合弁会社、シェブロン・フィリップス・ケミカル社が、2000年7月から同工場を所有している。

 調査は、今年の3月、1人が死亡し69人が負傷した化学工場の爆発火災をきっかけに行われた。ブタヂエンが入っているタンク内で急激な化学反応が起こり、12,000ガロンの容器が破裂して、爆発が発生した、とOSHAは断定した。タンクには、圧力計も温度計もなく、ブタヂエンが、きちんと閉めていなかった故障中のバルブを通ってタンクに流れ続けていた。

 同工場では、1989年10月にも、労働者23名が死亡し、232名が負傷するで爆発があった、これは、第二次世界大戦以来の化学工場での大惨事のひとつである。また、最近では、今年3月の爆発が起こった工場の同区域で、やはり1年前にもならない1999年6月に、2人が死亡した爆発があった。

 OSHAは、現場を46回、監督した。「今必要なことは、工場全域において、労働者の安全衛生を一から再評価し、労働者訓練を大幅に改善し、工場および会社経営者が、安全を最優先すると確約することである」とチャールズ・ジェフレスOSHA担当労働副長官は語った。

 シェブロン・フィリプス社は、最近、OSHAが指摘した問題点を解決するため、また、同工場を「世界中で最も安全な化学工場」にすることを目指した、一連の対策を発表した。安全スタッフの再編の一環として、安全「王」を任命した。外部のコンサルタントが、Kレジン(樹脂)工場の化学安全分析を行い、これを全工程に拡大する。

 さらに、時間労働者2名が、監督者と労働者の訓練カリキュウラムを重視した、行動主体の安全プログラムの開発と、工程変更の管理手順の見直しに協力する。

 OSHAは、テキサス州ベイタウン市で、ジンダル・ユナイテッド・スチール社として事業を行っている、USデンロ・スチール社に対し、182件の違反のかどで、170万ドルの罰金を求めた。このうち126件は、1998年から2000年の中途まで、多くの傷病を故意に記録しなかったことを含め、故意による違反と見なされた。この鋼板メーカーは、また、ブレーキがない、または不良な「ひどい状態」の大型オーバーヘッド・クレーンを数台所有していたかどで、召還された。同社役員にコメントを求めたが、返答は得られなかった。

 OSHAは、ミシガン州のファーミングトンヒル市のライフタイム・ドア社に対し、同社のテキサス州ハーン工場におけるロックアウト・タグアウト訓練、機械の防護、その他の要件に背いた、37件の違反で、110万ドルの罰金を要求した。ライフタイム・ドア社は、指の切断事故があった機械を使用させ続けたため、24日後にまた、指の切断事故があった。

 同社は、また、これまでの12回の労働監督や数多くの召還、「負傷の頻発や従業員の苦情申し立て」にもかかわらず、安全要件を満たさなかったとの嫌疑をうけている、とOSHAのジェフレス副長官は語った。

 ライフタイム・ドア社のジム・ミッチェル副社長は、同社は、独立した、労働安全衛生再評価委員会に提訴する、と語った。