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NSC発行「Safety + Health」2000年12月号

OSHAの最新情報



OSHA、ジイソシアネート対策として呼吸器を許可


 OSHAは、臭いに乏しく、暴露自覚のない化学物質のグループに属する、毒性のジイソシアネートに過剰に暴露される労働者を保護するため、使用者は、ろ過式呼吸用保護具(APR)を採用してもよいと述べた。

 この声明は、ポリウレタン産業連盟が、労働者の多くは、このオプションを歓迎すると述べたことに対し、発表された。連盟は、「機動性と視界を改善すれば、十分保護することができ、給気式呼吸用保護具よりも着心地がよい」と語った。

 これまで、規則では、OSHAは、メチレン・ビスフェ二―ル・イソシアネート(MDI)をはじめとする、一般的なジイソシアネートのような、ガスや蒸気の保護策としては、給気式呼吸用保護具の使用を義務づけていた。ジイソシアネートは、絶縁フォームや特殊な塗料、ニスの製造に用いる化学化合物のなかに含まれており、また、車体の修理や組み立てに、ますます多く使用されている。

 新しい方針は、1998年1月に発行された改定呼吸保護基準、1998年9月に発行された遵守指令、および今年7月の解釈書簡に概略が述べられている。OSHAのリチャード・フェアファックス遵守部長は、使用者が、当局の要件を満たす完璧な呼吸器プログラムを作り、ろ過式呼吸用保護具が、暴露から労働者を十分に保護することを示すデータをそろえ、吸収缶やカートリッジを使用期限前に廃却するならば、ろ過式呼吸用保護具を使用してよいと語った。

 ある種の呼吸用保護具は、漏えいのリスクが高いという点を注意せねばならない。ジイソシアネートの蒸気は、腐食性で、目をひどく傷め、肌の炎症を起こすか、敏感性を高めるため、さらに個人用保護具を追加する必要がある場合もある。フェアファックス遵守部長は、ジイソシアネートは、さまざまな呼吸器系の疾病をもたらすことがあるため、医学的なモニターも必要だろうと述べた。

 「私は、この種の危険な化学物質から身を守るために、ろ過式呼吸用保護具を使用しても、心地よく感じたことはなかった」と、国際化学産業労働者組合のマイケル・スプリンカー安全衛生部長は語った。「ジイソシアネートは、その性質上、認知しづらく、噴霧塗装や製造中に突然、高い濃度で暴露される可能性がある」と、同氏。

 同氏は、「ろ過式呼吸用保護具は、職場で使われない傾向がある」ので、適切なろ過式呼吸用保護具基準を守らない使用者に対しては、もっと「厳しく」対応すべきであると語った。