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NSC発行「Safety + Health」2001年1月号

ニュース 

 

職場の暴力、世界規模で関心が高まる

いじめなど 職場の暴力が、世界の労働者を悩ます問題となってきている。

オーストラリアの労働者を対象とした最近の調査では、回答した3千人の半数以上が、罵声、命令、けなすなどの威嚇行為で、不愉快な、抑圧された職場を報告している。

オーストラリア労組協議会の実施した調査では、このほか、以下の事実が判明した。

     回答者の10%は、身体的な脅威を経験した。

     5%は、職場で暴行を受けた。

     70%は、管理職または監督者がいじめをしたと報告。

     44%は、職場でのこうした行為について、もしくは、労働条件、安全衛生について、報告するのを恐れていると回答した。

回答者は、いじめで、ストレス、怒り、無力感、恐怖、抑うつ感、睡眠障害、頭痛、胃のトラブルなど、広範囲の症状を訴えている。

職場で、いじめを阻止するためになんらかの措置をとっていると回答したのは、わずかに18%であった。

ヨーロッパ連合でも、いじめ、差別が、解決を要する分野だとする報告書が出た。

化学物質の取り扱いや騒音など、身体的な危険が、今後とも職場の最重要課題であるが、職場の暴力は、もっと予防措置を要する、と報告書は述べている。また、ストレスなど、「よりソフトな」危険も、保健、セールス、顧客サービスなどのホワイトカラーの間で広まっていると、報告している。

「ヨーロッパ連合における労働安全衛生の現状」報告書は、ヨーロッパ安全衛生庁(European Agency of Safety and Health)が取りまとめた。これは、今日現在、EUの労働条件を最もよく包括した調査である。