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NSC発行「Safety + Health」2001年1月号

ニュース  

イギリスでは、安全データシートが不評

イギリスの最新の調査によると、小規模企業は、書面による化学物質の危険情報については、供給会社や梱包ラベルを参照する。

法律では、より総合的な安全データシート(SDS)を利用するよう義務づけているが、マリオン・エバンス調査員によれば、安全データシートは「かなり人気がない」。安全データシートは、過度に技術的な用語を駆使し、防護対策の具体的な情報に欠け、情報が不要に重複していたり、フォーマットが統一されていないため混乱を招きやすく、現場の経験とは相反する情報を掲載していることもある。安全データシートの35%は、重大な誤りがある、とエバンス調査員は言った。

危険情報の認識は、読解能力とも関係している。調査対象の労働者の3分の2は、12才以下の読解能力しかなかった。書面によるよりは、口頭でのコミュニケーションが望ましい。

労使とも、長期的、短期的な化学物質の有害性についてはあまり知識がないにもかかわらず、面接した者の大半は、危険から身を守るすべを知っていた。調査対象者は、美容院、ドライクリーニング、電気めっき、木工場、自動車修理場で働く人々であった。

調査に資金を拠出した政府の安全衛生庁(HSE)は、労働者の理解を得るため、単純な説明と現場での口頭による質疑応答セッションを検討中である、とエバンス部長は言った。安全データシートの質についても、再検討が望ましい。