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NSC発行「Safety + Health」2001年1月号

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最高裁、大気浄化法をめぐり審理

大気浄化法の解釈に関し、EPA(環境保護庁)は どれだけの権限を有するのか。これは、最高裁判所が、アメリカ・トラック協会とEPAの論争を検討するにあたり、答えを見出そうとしている基本的な問題である。

産業団体は、最高裁判事に対し、大気環境基準を設ける際には、排気規制の経済的費用を秤にかけるよう、大気浄化法でEPAは義務づけられていると裁定するよう、求めていた。同時に、政府は、1997年にEPAが、微粒子およびオゾンに関する新基準を設定した際、同庁の権限を逸脱したとする裁定を訴えていた。

両者は、昨年のコロンビア特別区控訴院の裁定について、上訴している。控訴院は、EPAは、1990年大気浄化法修正条項の解釈で、法で定められた権限を逸脱したと裁定を下し、EPAは、大気環境基準を設ける際には、遵守費用を検討すべきだとする、産業界側の主張を退けた。

最高裁判事らは、EPAは、衛生基準の設定の際には、経済的費用を検討すべきだとの考えには、懐疑的なように見受けられた。

ジョン・ポール・スティーブンス判事は、産業団体側のエドワード・ウォレン弁護士に対し、「費用があまりかからないならば、公衆衛生を守る」裁定を求めているのか、聞いた。

その後、サンドラ・デイ・オコナー判事は、ウォレン弁護士に対し、「あなたからは、あいまいなことばをたくさん耳にしたが、何をおっしゃっているのかわからなかった」と言った。

最終裁定は、7月に下される予定で、産業界にとっては、多くを意味することとなろう。もし、EPAは、大気浄化規則の設定の際、越権したとの裁定が下れば、これは、EPAのみならず、幅広い立法権限を有する他省庁の規則作成にも、影響を及ぼしかねない。