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NSC発行「Safety + Health」2001年1月号

ニュース 

 

OSHA、移民訓練で、死亡率を削減

OSHA(労働安全衛生庁)は、テキサス北部で、ヒスパニック系労働者に対する一連の対策を講じた結果、建設業における死亡率を削減した。同地域では、建設労働者の大半をヒスパニック系が占める。

1999年のダラス、フォートワース地区での建設労働者35名の死亡を受けて、OSHAーン・ウインゴ所長によると、死亡事故、安全違反の大半は、小規模建設業者によるものであり、これらの業者は、事業年数も浅く、安全訓練を行う手段もなく、英語をほとんど、あるいは全く話せないヒスパニック系移民を主体とした、低技能労働者を雇っている。テキサス北部では、組合組織のない小規模建設業者、下請け業者、請負人が、建設の大半を請け負っている。

ヒスパニック系移民の多くは、安全法規がほとんど施行されていない国々から来ており、標準的な米国の慣行も知らない。しかも、役人不信の文化背景を有する移民にいたっては、OSHA監督官が職場に現れると、逃げることもしばしばである。

これに対処するため、OSHAは、通訳を雇って移民に会うこととし、労働者、小規模建設業者を対象に、英語、スペイン語の両方で、10時間の無料安全教室を開催した。

当局によれば、労働監督の開始以来、建設業の月平均死亡者数は、30%減少した。