このページは国際安全衛生センターの2008/03/31以前のページです。

NSC発行「Safety + Health」2001年1月号

ニュース 

 

議会、NHTSAの監視権限を拡大

8月のファイアストン騒動で、運輸省のロドニー・スレイター長官は、全米幹線道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration : NHTSA)の権限を拡大する議会の改革を歓迎した。スレイター長官は、予期する以上のものを手にしたかもしれない。当局は、NHTSAの権限を強化する法律で、議会の設定した期限に間に合うよう、奮闘中である。

ファイアストン騒動をめぐる世論の高まりを受け、議会は、運輸リコールの促進、説明義務、証拠書類の提出法(TREAD : Transportation Recall Enhancement, Accountability and Documentation Act)を可決した。この法律は、そうと知りつつ欠陥製品を販売した企業に対する、NHTSAの懲罰権を拡大する。また、当局に、仕事を課している。

当局は、タイヤ基準を更新し、製造業者に対する早期警告・報告義務を設け、転覆試験および規則作成を促進し、子供用安全シートベルトの試験方法の変更を検討せねばならない。

議会は、広域にわたる指示を出し、NHTSA予算4億4百万ドルに9百万ドルを上乗せしたが、当局は、使途を細かく決めねばならない。250万ドルについては、調査・消費者データベースのグレードアップと、当局の定員620名の30名増員にあてる。

11月末、NHTSAは、子供用シートベルト安全計画案を刊行した。同案では、衝突試験車に安全シートを設け、大きい子供用シートを評価するため、10才の子供のダミーを開発し、NHTSAチャイルド・シート基準の試験手順を再検討する、と提案している。

これに加え、グッドイヤー・ラングラー製のタイヤにも欠陥がないか、調査することもありうる。

大統領選の長期化で、歯車にハトメが追加されたかたちとなり、NHTSAは、多忙な1月を迎えているようだ。

「向こう2年間は、我々は忙しい」と、NHTSAのエリー・マーティン広報官は言った。「小規模の機関だが、やらねばなるぬことがたくさんある」。