このページは国際安全衛生センターの2008/03/31以前のページです。
NSC発行「Safety + Health」2001年2月号

ニュース



安全衛生の不備は、倒産と関連------韓国


 韓国の労働条件に関する新調査によると、安全衛生記録のよい企業は、近年の景気後退期をよりよく切り抜けられた。これらの企業は、労働環境が粗悪で災害率の高い企業と比べ、倒産件数も少なかった。

 日本の「産業医学ジャーナル」に掲載された本調査は、1996年の安全衛生記録と1997年11月にはじまった経済不況につづく破産申請件数を比較した。急激な外貨不足と外国資本投資の減少に誘発されて、破産率が上がると、失業率も通常の2〜3%から10%以上に増えた。安全衛生記録の入手できる3,980企業について、1999年現在の存続・倒産状況を、韓国労働者保険会社の情報で入手した。

 倒産した755企業はすべて、存続企業に比べ、職場環境、災害率がかなりひどい状況にあった。とくに、騒音による聴力損失、有機溶剤中毒、重金属暴露は、存続企業より、倒産企業の方が高率を記録している。本調査の執筆者は、「安全衛生記録のよい、よい経営陣の運営する企業は、景気後退期でも破産する可能性が低い」と結論づけた。