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NSC発行「Safety + Health」2001年3月号

ニュース


チャオ労働大臣、労働、安全衛生問題で「公開対話」を約束

先日、上院の承認審問で、エレイン・チャオ労働大臣は、労働安全衛生法(OSHA)をめぐる諸問題にどう取り組むかについて、あたりさわりのない答弁をした。

元運輸副大臣で、平和部隊部長、ユナイティッド・ウェイ会長兼最高経営責任者(CEO)も務めたチャオ大臣は、承認審問中、労働安全衛生問題を「複雑で」「込み入った」と度々形容。論議の絶えない新エルゴノミクス基準について、とりわけ上院衛生・教育・労働・年金委員会の民主党議員から、支持するよう公約を求められた時は、同規則改定の可能性を否定しなかった。

しかし、大臣は、エルゴ問題の賛否両論をめぐる懸案事項を理解していると述べた。「皆さんと、公開対話を設けます。あらゆる見解を考慮に入れようと思います」と、上院議員らに約束した。

エルゴ基準は、技術的には、ブッシュ政権発足の4日前、1月16日に発効した。しかし、使用者が遵守義務を遂行せねばならない実際の発効日は、10月15日である。



EPA、クリントン政権末期に鉛基準を改定


クリントン政権末期に、EPA(環境保護庁)は、鉛暴露・報告を規制する規則を強化した。

規則のひとつは、EPAの毒物排出目録計画下での鉛排出報告義務を大幅に増やす。これにより、年間100ポンド以上の鉛を扱う施設を有する企業は、鉛排出を報告せねばならない。以前は、年間2万5千ポンドを超える鉛を製造・加工する企業、もしくは、年間1万ポンドを超える鉛を取り扱う企業にのみ、鉛排出報告が義務付けられていた。

新規則は、報告義務を拡大した点といい、土壇場で規制変更をしてのけたタイミングといい、論争を呼ぶものである。

EPAはまた、塗料、粉じん、土壌の鉛含有率の危険水準を下げた。当局によれば、住宅所有者、学校運営者、児童保育者は、鉛の危険から子供を保護する基準を初めて手にする。

新基準のもと、鉛は、以下の水準で危険とみなされる。

  • 床1平方フィートあたり粉じんの中の鉛40マイクログラム(改正前は、100マイクログラム)。

  • 屋内の窓枠1平方フィートあたり粉じんの中の鉛250マイクログラム(改正前は、500マイクログラム)。

  • 児童遊戯場のむき出しになった土中の鉛400ppmもしくはそれ以外の土地のむき出しになった土壌中の鉛含有率の平均値1,200ppm(改正以前は、2,000ppm)。



事実チェック 労働死亡傷害 1998年

ハイウエイ事故 23.7%
墜落・転落 10.3%
ものにぶつけられる 8.6%
歩行中 6.9%
ハイウエイ以外の事故 6.4%
電 流 5.5%
機器にはさまる 4.4%
飛行機事故 3.7%
自 損 3.7%
暴 行 11.8%
その他 15.0%

労働死亡障害 −1998
 出所:全米安全評議会(NSC)、「Injury Facts」、2000年



大気浄化法訴訟和解で、シナジー社、最高額の支払い


連邦政府との合意により、シンシナチのシナジー社は、同社の石炭動力発電所10基からの公害を一掃するため、14億ドルを投じる。これは、大気浄化法では、空前の規模の法施行となる。

司法省とEPA(環境保護庁)は、1999年11月、同社が、スモッグ、酸性雨、すす管理に必要な器材もないまま、発電所を大幅に改修したとして、同社を告訴していた。

合意により、シナジー社および同社と提携する操業会社、PSIエナジー、シンシナチ・ガス&エレクトリック社は、オハイオ、インディアナ両州の石炭動力発電所10基を清掃する。また、2,150万ドル規模の環境プロジェクトを実施し、罰金850万ドルを支払う。



公衆によるAED(自動体外式除細動器)使用を試験


これまでの調査で、自動体外式除細動器(AED)が、飛行機内で人命を救助することが証明されている。今度は、連邦政府出資の臨床試験で、全米25の大都市の事務所、アパート、高齢者センター、その他の公共施設で、心拍を標準律動に戻すことができるよう、よきサマリア人(困っている人の真の友)を訓練しうるかどうか、調査した。

調査員らは、各都市の40ヶ所に、携帯用除細動器を設置し、ボランティア数百人に対し、その使い方を訓練できるよう、準備した。ボランティアは皆、心拍停止状態を識別できるよう、また、911番に通報し、心肺蘇生術(CPR)を実施できるよう,訓練を受ける。調査箇所の半数には、AEDを設置、この利用方法について訓練を受けたボランティアを配備する。2ヵ年にわたるこの調査では、長期的な結果を追跡し、突然の心拍停止に陥る人々一人当りのコストを見極める。



ヌコア社、14施設の清掃に合意

連邦政府とノース・カロライナ州シャーロットの製鋼業者、ヌコア社は、空前規模の包括的な環境和解を結び、これにより、同社は、所有する14施設を清掃することに合意した。司法省、EPA(環境保護庁)は、同社が大気、水質、土壌汚染の管理を怠ったとして、同社を訴えていた。

和解により、ヌコア社は、アラバマ、アーカンザス、インディアナ、ネブラスカ、サウス・カロライナ、テキサス、ユタ州にある同社14施設の環境改善に8,500万ドルを支出する。また、民事法違反による罰金900万ドルを支払い、同社施設における排出監視に400万ドルを投じ、地域社会に根ざした環境改善プロジェクト数件を実施する。



ジョージア州、心理的傷害を審理


先日のジョージア州控訴院の裁決で、労働者が、職業関連の心理的損傷のみで会社を告訴するのは不可能となったもようである。ベッツ・v・メッドクロス・イミジング・センター社の従業員は、故意に感情的な苦痛を与えたとして、メッドクロス社のオーナーを訴えた。

元従業員5名によると、同社オーナー(放射線学者とその妻)が、放射線への日々の暴露を測定する線量計バッジの支給や、連邦法規で義務づけられている鉛製シールドの設置を怠った。従業員らは、同社が過度の放射線量に暴露させてきたことが判明した時点で、同社を退職した。従業員らは、放射線暴露による身体的傷病はまだ現れていないことを認めつつも、暴露予後は、重度のうつ病と極度の不安をもたらしたと訴えた。

裁判所は、身体的負傷を伴わない心理的障害に対し、使用者は労働者災害補償を支払う義務はないとの判決を下した、と同州労働者災害補償委員会のジュリー・ジョン常務理事は述べた。同時に、ジョージア州法では、労働者は、職業関連の負傷に対してのみ労働者災害補償を請求しうるため、感情的な苦痛で使用者を訴えることはできないと、判決を下した。
ジョージア州労働者災害補償法には、労働者は、労働者災害補償以外では使用者を訴えることができないとする「独占条項」がある。週給付額の上限を設けた代わりに、使用者は、労働者の怠慢を主張する権利を放棄している。同法は、過失を排除する一方で、他州でみられる何百万ドルにのぼる訴訟を回避している。

 「この独占的救済策は、補償可能な傷害についてのみ訴えることができると規定している。仮説的には、放射線暴露は、労働者災害補償で補償しうるということである。しかし、精神的な訴えについては、補償不可能である」と、アトランタのハミルトン・ウェスビー・アントノウィッチ&アンダーソンの共同経営者で、ジョージア州労働者災害補償に関するウェブサイト(www.gaworkerscomp.com.)の共同創設者であるウィリアム・アンダーソン氏は述べた。

「控訴院の判決は、特定の傷害が労働者災害補償法で具体的にカバーされていないというだけで、独占的救済策が適用されないという意味ではない」とジョン氏。「原告側は、予審法廷でも労働者災害補償でも、救済策を持たないということである」。

この判決を他州もまねるだろうか? たぶん、とアンダーソン氏。州裁判所が、このような問題を解決していない場合、法律学者や裁判官は、しばしば他州に手本を見いだそうとするものである。




OSHAに対する労働者、専門官の評価は真っ二つ


2000年度「米国顧客満足度指標調査」によると、OSHA(労働安全衛生庁)の評価は、回答者によってずいぶんと違ってくる。
労働者(a) 70% 安全専門家(b) 54%
評価すべき点:
  • 適切で効果的な安全衛生基準
  • OSHAの情報へのアクセスが容易
改善すべき点:
  • 情報の非有用性
  • 職場の安全衛生を向上するための労働監督のインパクト

評価すべき点:
  • 情報の有用性と容易なアクセス
  • 適切な安全衛生基準
改善すべき点:
  • 基準開発への協力など、OSHAへのアクセス
  • 照会に対する即応性

(a)OSHA監督現場の労働者
(b)全米安全工学者協会および全米産業衛生協会の会員



レモン香クリーナー、屋内の空気環境を悪化させる可能性


家庭や産業で広く使われている洗浄液のあのレモンの香り。清潔で衛生的な香りだが、調査で、これらクリーナーのなかの化学物質が、人間にとって有害であることが判明した。化学物質がオゾンと反応して微粒子となり、肺に吸い込まれるのである。

米国東部の森林で、常緑樹から発散されるテルペンが、オゾンと混ざり、森林全体にもやを発生させることは、科学者も知るところである。しかし、オゾンと屋内用クリーナーとの影響については、実験されたことはほとんどない。

ラトガー大学の調査員らは、木製のコーヒー・テーブルに15秒間、レモン香ワックスを噴霧し、リモネンというテルペンの一種の放出量を測定した。次に、実験室に濃縮したリモネンを放ち、オゾンと混ぜた。30分で、粒子が形成されはじめ、屋外用のEPA(環境保護庁)限界値の3分の1に達した。このレベルで、心臓・肺疾病を悪化させると、科学者はみている。



遵守支援、ウェブで入手可能


ウェブ上に新設された全国遵守支援情報センターは、EPA(環境保護庁)や州政府機関の課す環境保護義務について、遵守支援情報を提供している。

ユーザーは、必要な情報を選び出し、それを自分のウェブサイトにあてはめ、EPAに遵守ニーズを知らせ、自分のウェブサイトからリンクを追加することができる。

情報センターは、EPAや州政府のウェブサイトへのリンクを提供する。このサイトは、いずれ、産業界、私立機関、その他の支援機関からの情報も掲載する予定。

情報センターは、www.epa.gov/clearinghouseで接続できる。



OSHA、クリントン政権末期に三基準を発表

OSHA(労働安全衛生庁)は、クリントン政権末期に三基準を発表した。使用者の労働傷病記録保持、刺傷から保健医療労働者をよりよく保護する注射針、鉄骨組み立て労働者の安全改善の三基準である。

しかし、記録保持、注射針、鉄骨組み立て労働者のいずれの基準も、ジョージ・W・ブッシュ大統領の大統領令で、即影響を被った。大統領令は、発効していない新規則の発効日を60日延期した。大統領令はまた、公表されていない規則案または最終規則についても延期した。エルゴノミクス基準は、1月16日に発効したが、ブッシュ政権は、再検討および修正もしくは以前の基準への引き下げの可能性も示唆した。

三基準を公表した際、OSHAは、記録保持については2002年1月1日、注射針は今年4月18日、鉄骨組立ては7月17日と、発効日を定めた。

記録保持と注射針

新しい記録保持基準は、もともと、現行法規下の義務が明快さに欠けるとした使用者の不服に配慮して作成された。基準は、政労使三者が工夫を重ねて作り上げた計画を基にしたものであった。1996年の基準案では、三者が協議したアイデアからOSHAが後退した感があった。しかし、ワシントンの大規模事業主の調査団体であるオーガニゼーション・リソーシズ・カウンセラーズのコンサルタントを務めるウィリアム・アメント氏は、一見したところ「思ったよりましだ」。

OSHAは、建設現場単位の記録保持義務案と、小企業に対する適用免除を従業員10名以下の事業規模から従業員19名以下へと引き上げる案とを廃棄した。現今の記載によると、当局は、職業関連疾病の定義に関し、風邪、インフルエンザ、献血、運動プログラム、精神病、飲食関連を除外するとして、適用除外を広げた。

同基準は、使用者が職場での傷病を記録する場合だけでなく、以前から罹っていた傷病が労働で悪化したケースを記録する場合をも扱う。

新しい注射針基準には、OSHAの骨髄病原体基準の修正条項が含まれている。同基準は、病院その他の保健医療施設に対し、より安全な注射針を使用するよう、注射針の選択については労働者と協議するよう、また、汚染された「針」による負傷については、記録を別に保持するよう、義務づけている。疾病対策予防センターは、これらの医療器具で、病院での刺傷を88%予防できると推測している。

鉄骨組み立て

鉄骨組み立て基準は、OSHA初の協議に基く規則作成を経て、作成された。この過程で、業界、労働組合、および政府職員は、当局の鉄骨組み立てに関する規則協議作成諮問委員会(SENRAC)の委員として協力した。

基準は、足場や鉄骨支柱のコンクリートの適切な養生、主要な組み立て作業の事前計画、クレーン安全の追加、歩行面の安全と確保、鉄骨接合部でレーシングロードの倒壊を最小限にする手順、適切な労働者訓練など、安全改善を義務づける。

OSHAは、当初、15フィート以上(現行は30フィート以上)の高所で働くすべての鉄骨組み立て労働者は、身体を梁に結びつけねばならないなど、基本的な落下防止義務を設けようとしていた。しかし、「接合係」については、落下防止器具または落下抑制器具の代用を認めるべきだとのSENRACの勧告案を採ることに合意した。接合係とは、配置すべき高さに持ち上げる前に、部材を接合する労働者のことをいう。

SENRAC委員は、このような柔軟性は引き続き認めるべきだと述べた。なぜなら、接合係が梁に結び付けられていては、当の梁が突如陥没すると、建造物からはずれて、地面に落下することがあるからである。

未完のしごと

話は変わり、OSHA担当のチャールズ・ジェフレス労働副長官は、当局は、いくつかの新しい基準を1月20日までに完成することができなかったと、報道陣に述べた。当局の新顔チームが、これらを今後の課題として、高い優先順位をつけるだろうと述べた。これらの基準が生き延びるかどうかは、ブッシュ政権およびその労働省幹部がなにをしたいか、それ次第である。

未完成に終わったなかには、正式な安全衛生計画の作成や、落下物や有害物質への暴露が懸念される場合に労働者が使用する個人用保護具に、もっと資金を投じるよう、使用者に義務づける規則案があった。OSHAは、また、結核感染からの保健医療労働者の保護改善を探っていた。アル・カー



連邦幹線道路局、交通管制便覧を発行


交通管制装置に関するすべての基準を収録した「統一交通管制装置便覧」ミレニアム・エディションが、今月中に発行される。

これらの基準は、すべての公道における交通管制装置のデザイン、適用、設置について指示している。建設労働者や公益事業労働者にも適用する信号旗手規則などを含め、作業現場にも適用範囲を拡大した。

この便覧は、連邦幹線道路局が刊行する。資料は、mutcd.fhwa.dot.gov/kno-faq.htmで、入手可能。


ANSI委員会、安全衛生システムに取り組む


アメリカ国家規格協会(ANSI)は、労働安全衛生システムを検討する委員会を新設した。この正式に認可された委員会、Z10は、安全衛生プログラムに関する基準の必要性を探り、必要が認められれば、基準の範囲を設定する。

同協会は、安全衛生システムをめぐる国際的な取り組みに応えるかたちで、委員会を設置。米国の立場としては、国際版を検討するまえに、国内基準が必要というわけだ。

委員会の第1回会合は、ワシントンで、2月8〜9日に開催された。会合はすべて、一般に公開される。詳しくは、米国産業衛生協会(703−849−8888)まで。

 全国安全評議会(NSC)会員は、意見を所属課長に提出できる。各課長は、委員会のNSC代表にそれを伝える。



米、EU労働安全衛生会議

隔年毎に開かれる米、EU労働安全衛生会議の第2回会合が、2000年11月15〜17日、サンフランシスコで開催された。テーマは、「労働安全衛生における重要課題」で、これらの課題に向けた米、EUの協力に焦点をあてた。

会議には、100名を超える米、EUの政労使代表が参加した。

米国代表団は、チャールズ・ジェフレス元労働副大臣が、EU代表団は、在ワシントンの欧州委員会代表団のジョン・リチャードソン副団長がそれぞれ率いた。会議は、4セッションに分かれて進められた。

  • エルゴノミクス
  • 労働安全衛生管理システム(OSHMS)
  • 労働者の権利および労働者参加
  • 中小企業


セッションの成果


エルゴノミクス作業グループでは、米欧代表団双方が、筋骨格系障害(MSD)は予防可能だと述べた。ヨーロッパでは、MSDは、最も一般的に報告される労働衛生問題である。米国では、労働傷病総数の3分の1を占める。セッションでは、エルゴノミクスは世界規模の問題であり、欧米双方が解決に向け、協力すべきだと結論した。

労働安全衛生管理システム(OSHMS)のセッションでは、米欧代表団とも、安全衛生の効果的な管理要件を企業、労働者、安全専門家に提供するという点から、OSHMSは重要であると合意した。しかし、小企業に対しては、どうやって、このようなシステムを実施するよう説得すればよいか、懸念が表明された。

労働者の権利と参加のテーマでは、両代表団とも、労働者参加については、ヨーロッパ・モデルの方が、現行の米国モデルより明らかに優れていると合意した。

EUでは、使用者は、労働者の安全衛生に関し、法的責任を有する。この枠組みのなか、ヨーロッパの労組は、法的責任を負う心配なく、労働者の安全衛生に積極的に関わってきた。政府も、安全衛生については、法的責任をもたない。


今後の課題


大西洋の両岸とも、政府、労働者にとっての最大の課題は、中小企業であるとの認識を示した。これらの企業では、労働者は、安全衛生情報をほとんど、あるいはまったく得ていないことがしばしばで、訓練も受けていない。不安全な条件下で働き、適切な施設安全管理もない。

最後に、費用効果が高く、シンプルでいつでもすぐ利用できる技術、安全教育、訓練の必要性が指摘された。教育訓練は、期間限定で、わかりやすく実行に移しやすいものでなければならない。

会議参加者は、米欧が互いの調査結果を享受するには、この分野で引き続き、情報、アイディアを交換していくことが不可欠だと結論した。

全国安全評議会国際ビジネス部長トニー・スミス




乱暴運転の規制に向け、諸州政府が協力


トラック運転手、道路建設労働者、電柱作業員、通勤する人々に嬉しいニュース。州政府が、乱暴運転に厳しい態度で臨むことになった。

全国幹線道路安全州知事代表協会が発行した報告書によると、州政府は、立法措置、施策、広報宣伝活動を通じ、対応する。

  • アリゾナ、デラウェア、ネバダ、ロード・アイランド州は、乱暴運転を規制する法律を有する。全国諸州は、無謀運転、不注意運転、車による故殺に適用する現行法規で、乱暴運転を取り締まる。
  • 31州は、乱暴運転対策を展開している。
  • 24州は、乱暴運転の危険を強調したキャンペーンを展開し、安全情報を提供している。

 「州別事情:乱暴運転」報告書は、5ドルで、電話:202−789−0942で入手できる。



スペイン、建設安全に対し、態度を硬化


労働者1名が、就業初日に感電死した件で、スペインの裁判所は、建築業者に有罪判決を下した。

労働者は、雨天日に、ケーブルのいくつかが緩み、絶縁体が腐食したセメント・ミキサー車で作業中に死亡。裁判所は、建築業者が、このミキサー車使用の危険性に「全く関心を示さず」、20歳の労働者に保護具も与えなかったと裁決した。

判決、刑罰とも、スペインとしては異例に厳しいものと見られている。同国のメディアは、欧州連合内で最も安全性の低い建設産業の安全に対し、法的により厳しい態度で臨んだものと解釈している。スペインの建設産業では、年間およそ250名が死亡している。



注射針は、保健医療の枠を越えた問題


オーストラリアのニュー・サウス・ウェールズ州の簡易裁判所では、HIVやC型肝炎など、生命を脅かす疾病を感染するおそれのあるこのような刺傷が、職業を問わず起こり得ることを示す訴訟があった。

ガソリン・スタンドで働いていたウェイン・ミラー氏は、トイレット・ペーパーディスペンサーに隠されていた注射針で刺傷、HIV陽性となった。ミラー氏の職務内容には、トイレの清掃も含まれていた。この件を担当した審判は、239,807ドルの賠償金を認めた。

しかし、ミラー氏側のピーター・スミス弁護士は、この勝利は見た目ほど法的効力を持つものではないと指摘。「この類では、初の判例だろう。だが、審判の裁定は、将来に向け、先例を打ち立てることにはならない」。



薬物乱用は障害、とカナダ裁判所


オンタリオ州控訴院は、最近下した判決で、薬物・アルコール乱用は、オンタリオ州人権法典が適用される身体障害であると確認した。

この訴訟事件では、微妙な立場にある従業員に,現在または過去の薬物乱用歴を明らかにするよう義務づけていた職場政策に挑んだ従業員が勝利した。この従業員は、8年前の薬物乱用問題(その後はない)を表明したのち、配置転換された。従業員は、身体障害を理由とした差別だとして、人権侵害を訴えた。

オンタリオ州人権委員会は、この判決を受け、薬物・アルコール検査政策を改定した。



豪州小企業、安全衛生で落伍


オーストラリア政府は、2百万の小企業に対し、労働安全衛生に真剣に取り組むよう説得する際、浮上する問題へ対処し始めた。

例えば、ビクトリア州政府は、小企業安全プログラムを創設。小企業諮問協議会と産業団体が開発したこのプログラムは、

  • 可能な安全改善策を特定した政府当局、団体、企業を支援する。
  • 6協会が開発し、その会員企業で試験した自己評価手法および訓練を提供する。
  • プログラム・マネージャーを含め、小企業サービス・プログラムを提供する。無料で、自己評価手法セット、チェック・リストを配布する。これらのセットの利用に際し、小企業を補助するアドバイザーに補助金を支給する。




ILO、職場のAIDS問題に取り組む


昨12月に発表した調査で、国際労働機関(ILO)は、AIDS禍で、アフリカ数か国の労働力人口が最大35%減少すると予想。この急減に対処するため、ILOは、AIDS問題への政労使の取り組みを支援する新しいプログラムを発表した。

プログラムは、労使向けにHIV/AIDS予防プログラムを開発し、職場での感染をくい止めようとするものである。また、ILOは、職場のHIV/AIDSに関する実施要綱を作成する。実施要綱は、差別、他の労働者の懸念、雇用安定など、この問題をめぐる職場政策について、法律案内を提供する。また、HIV感染予防や、管理者、監督者、労働者代表、安全衛生官、監督官、保健医療労働者向け訓練もカバーする予定。

アフリカに加え、プログラムは、アジア、中東欧、カリブ海地域にも導入していく予定である。