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NSC発行「Safety + Health」2001年3月号
ニュース
OSHA、クリントン政権末期に三基準を発表
OSHA(労働安全衛生庁)は、クリントン政権末期に三基準を発表した。使用者の労働傷病記録保持、刺傷から保健医療労働者をよりよく保護する注射針、鉄骨組み立て労働者の安全改善の三基準である。
しかし、記録保持、注射針、鉄骨組み立て労働者のいずれの基準も、ジョージ・W・ブッシュ大統領の大統領令で、即影響を被った。大統領令は、発効していない新規則の発効日を60日延期した。大統領令はまた、公表されていない規則案または最終規則についても延期した。エルゴノミクス基準は、1月16日に発効したが、ブッシュ政権は、再検討および修正もしくは以前の基準への引き下げの可能性も示唆した。
三基準を公表した際、OSHAは、記録保持については2002年1月1日、注射針は今年4月18日、鉄骨組立ては7月17日と、発効日を定めた。
記録保持と注射針
新しい記録保持基準は、もともと、現行法規下の義務が明快さに欠けるとした使用者の不服に配慮して作成された。基準は、政労使三者が工夫を重ねて作り上げた計画を基にしたものであった。1996年の基準案では、三者が協議したアイデアからOSHAが後退した感があった。しかし、ワシントンの大規模事業主の調査団体であるオーガニゼーション・リソーシズ・カウンセラーズのコンサルタントを務めるウィリアム・アメント氏は、一見したところ「思ったよりましだ」。
OSHAは、建設現場単位の記録保持義務案と、小企業に対する適用免除を従業員10名以下の事業規模から従業員19名以下へと引き上げる案とを廃棄した。現今の記載によると、当局は、職業関連疾病の定義に関し、風邪、インフルエンザ、献血、運動プログラム、精神病、飲食関連を除外するとして、適用除外を広げた。
同基準は、使用者が職場での傷病を記録する場合だけでなく、以前から罹っていた傷病が労働で悪化したケースを記録する場合をも扱う。
新しい注射針基準には、OSHAの骨髄病原体基準の修正条項が含まれている。同基準は、病院その他の保健医療施設に対し、より安全な注射針を使用するよう、注射針の選択については労働者と協議するよう、また、汚染された「針」による負傷については、記録を別に保持するよう、義務づけている。疾病対策予防センターは、これらの医療器具で、病院での刺傷を88%予防できると推測している。
鉄骨組み立て
鉄骨組み立て基準は、OSHA初の協議に基く規則作成を経て、作成された。この過程で、業界、労働組合、および政府職員は、当局の鉄骨組み立てに関する規則協議作成諮問委員会(SENRAC)の委員として協力した。
基準は、足場や鉄骨支柱のコンクリートの適切な養生、主要な組み立て作業の事前計画、クレーン安全の追加、歩行面の安全と確保、鉄骨接合部のレーシングロードの倒壊を最小限にする手順、適切な労働者訓練など、安全改善を義務づける。
OSHAは、当初、15フィート以上(現行は30フィート以上)の高所で働くすべての鉄骨組み立て労働者は、身体を梁に結びつけねばならないなど、基本的な落下防止義務を設けようとしていた。しかし、「接合係」については、落下防止器具または落下抑制器具の代用を認めるべきだとのSENRACの勧告案を採ることに合意した。接合係とは、配置すべき高さに持ち上げる前に、部材を接合する労働者のことをいう。
SENRAC委員は、このような柔軟性は引き続き認めるべきだと述べた。なぜなら、接合係が梁に結び付けられていては、当の梁が突如陥没すると、建造物からはずれて、地面に落下することがあるからである。
未完のしごと
話は変わり、OSHA担当のチャールズ・ジェフレス労働副長官は、当局は、いくつかの新しい基準を1月20日までに完成することができなかったと、報道陣に述べた。当局の新顔チームが、これらを今後の課題として、高い優先順位をつけるだろうと述べた。これらの基準が生き延びるかどうかは、ブッシュ政権およびその労働省幹部がなにをしたいか、それ次第である。
未完成に終わったなかには、正式な安全衛生計画の作成や、落下物や有害物質への暴露が懸念される場合に労働者が使用する個人用保護具に、もっと資金を投じるよう、使用者に義務づける規則案があった。OSHAは、また、結核感染からの保健医療労働者の保護改善を探っていた。アル・カー
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