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NSC発行「Safety + Health」2001年3月号
ニュース
米、EU労働安全衛生会議
隔年毎に開かれる米、EU労働安全衛生会議の第2回会合が、2000年11月15〜17日、サンフランシスコで開催された。テーマは、「労働安全衛生における重要課題」で、これらの課題に向けた米、EUの協力に焦点をあてた。
会議には、100名を超える米、EUの政労使代表が参加した。
米国代表団は、チャールズ・ジェフレス元労働副大臣が、EU代表団は、在ワシントンの欧州委員会代表団のジョン・リチャードソン副団長がそれぞれ率いた。会議は、4セッションに分かれて進められた。
- エルゴノミクス
- 労働安全衛生管理システム(OSHMS)
- 労働者の権利および労働者参加
- 中小企業
セッションの成果
エルゴノミクス作業グループでは、米欧代表団双方が、筋骨格系障害(MSD)は予防可能だと述べた。ヨーロッパでは、MSDは、最も一般的に報告される労働衛生問題である。米国では、労働傷病総数の3分の1を占める。セッションでは、エルゴノミクスは世界規模の問題であり、欧米双方が解決に向け、協力すべきだと結論した。
労働安全衛生管理システム(OSHMS)のセッションでは、米欧代表団とも、安全衛生の効果的な管理要件を企業、労働者、安全専門家に提供するという点から、OSHMSは重要であると合意した。しかし、小企業に対しては、どうやって、このようなシステムを実施するよう説得すればよいか、懸念が表明された。
労働者の権利と参加のテーマでは、両代表団とも、労働者参加については、ヨーロッパ・モデルの方が、現行の米国モデルより明らかに優れていると合意した。
EUでは、使用者は、労働者の安全衛生に関し、法的責任を有する。この枠組みのなか、ヨーロッパの労組は、法的責任を負う心配なく、労働者の安全衛生に積極的に関わってきた。政府も、安全衛生については、法的責任をもたない。
今後の課題
大西洋の両岸とも、政府、労働者にとっての最大の課題は、中小企業であるとの認識を示した。これらの企業では、労働者は、安全衛生情報をほとんど、あるいはまったく得ていないことがしばしばで、訓練も受けていない。不安全な条件下で働き、適切な施設安全管理もない。
最後に、費用効果が高く、シンプルでいつでもすぐ利用できる技術、安全教育、訓練の必要性が指摘された。教育訓練は、期間限定で、わかりやすく実行に移しやすいものでなければならない。
会議参加者は、米欧が互いの調査結果を享受するには、この分野で引き続き、情報、アイディアを交換していくことが不可欠だと結論した。
全国安全評議会国際ビジネス部長トニー・スミス
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