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NSC発行「Safety + Health」2001年3月号

OSHAの最新情報


ハーマン労働大臣、OSHA長官代行にレイン氏を任命

辞任を前に、アレクシス・ハーマン労働大臣は、ブッシュ大統領就任前に辞任したチャールズ・ジェフレス氏の後任に、R・デイビス・レイン氏をOSHA長官代行に任命した。

1999年3月、レイン氏は、ジェフレス元OSHA長官に、2名の副行政官のひとりとして任命された。それ以前は、アトランタにあるOSHA第W地域事務所の地域行政官であった。

エレイン・チャオ新労働大臣は、OSHA長官任命の予定を立てていない。


OSHA、無作為監査を増やす予定

使用者による労働傷病記録の正確さをよりよく判定するため、OSHAは、およそ250の事業所に対し、無作為抽出による記録保存監査を準備中である。

この計画では、使用者8万人から得た1999年度のデータのいくつかを監査し、その分析を行政管理予算局に報告する。OSHA職員によれば、これで、使用者が実際どう記録しているか、速写できるとしている。

しかし、ブッシュ政権が規制面で漸進政策を展開すると、この計画もその影響を被る可能性がある。「監査は見合わせると思いますよ」と、ワシントンの大規模使用者団体、LPAのティム・バートル一般顧問補は述べた。 

OSHAは、1996年から1998年にかけて記録されたデータについても、このようなの監査を行った。これによると、約90%の使用者は、労働傷病記録を正確に記録していた。しかし、組合側評者は、監査は欠陥ありと主張していた。



労働力保護小委員会委員長にノーウッド氏


共和党は、下院労働力保護小委員会委員長にチャールズ・ノーウッド下院議員(共和党、ジョージア州)を任命した。同氏は、1995年以来委員長の座にあったキャス・バレンジャー下院議員(共和党、ノース・キャロライナ州)と交替する。

ノーウッド氏は、患者権利請求書法の発起人として先頭に立った。保健医療問題以外では、同氏は、党路線に沿ってほとんど100%票を投じている。小委員会委員長としては、使用者寄りの立場を継続すると見られている。



連邦諸官庁の所管重複で、労働安全に悪影響


OSHA(労働安全衛生庁)および他の三機関の法施行、調査業務の重複は、多数の使用者を混乱に陥れ、二重対応を招き、労働安全を損ないうると、会計検査院(GAO)は、先日、こう語った。

下院労働力保護小委員会向けの報告書のなかで、会計検査院は、OSHA、EPA(環境保護庁)、アルコール・タバコ・小火器局(Bureau of Alcohol, Tobacco and Firearms : ATF)および化学物質安全性調査委員会は、有害物質からの労働安全衛生の保護をめざした連邦政府の取り組みのなかで、「卓越した役割を担っている」と述べた。しかし、化学工場や精油所から食品小売店にいたる施設に対する義務づけで、四機関の機能が重複している。

OSHA、EPA、ATFの三機関は、多くの同一物質を規制している。例えば、EPAの一法律で適用対象となっている有害物質のおよそ29%を、OSHAとATFもカバーしている。同様の重複は、OSHAと化学安全委員会との間にもみられる。もっとも、前者の監督が規制目的であるのに対し、後者の監督は、勧告目的である。

会計検査院は、このような重複は、使用者に対し、全般的な法遵守負担となっており、とくに、施設の災害発生時には、規制面での義務を十分履行できないようにさせており、また、調査要求に応じにくくさせていると述べている。

辞任したチャールズ・ジェフレスOSHA長官は、同報告書のなかで、会計検査院の所見の多くに同意している。しかし、同氏は、「四機関の所管業務の重複がはっきりしているのは、事故調査だけだ」と考えている。ジェフレス長官は、新設され、目下、役割を模索中の化学安全委員会と、OSHA、EPA、ATF間の調整努力を判定するには、「時期尚早」であるとも述べている。