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NSC発行「Safety + Health」2001年3月号

OSHAの最新情報


連邦諸官庁の所管重複で、労働安全に悪影響


OSHA(労働安全衛生庁)および他の三機関の法施行、調査業務の重複は、多数の使用者を混乱に陥れ、二重対応を招き、労働安全を損ないうると、会計検査院(GAO)は、先日、こう語った。

下院労働力保護小委員会向けの報告書のなかで、会計検査院は、OSHA、EPA(環境保護庁)、アルコール・たばこ・小火器局(Bureau of Alcohol, Tabacco and Firearms : ATF)および化学物質安全性調査委員会は、有害物質からの労働安全衛生の保護をめざした連邦政府の取り組みのなかで、「卓越した役割を担っている」と述べた。しかし、化学工場や精油所から食品小売店にいたる施設に対する義務づけで、四機関の機能が重複している。

OSHA、EPA、ATFの三機関は、多くの同一物質を規制している。例えば、EPAの一法律で適用対象となっている有害物質のおよそ29%を、OSHAとATFもカバーしている。同様の重複は、OSHAと化学安全委員会との間にもみられる。もっとも、前者の監督が規制目的であるのに対し、後者の監督は、勧告目的である。

会計検査院は、このような重複は、使用者に対し、全般的な法遵守負担となっており、とくに、施設の災害発生時には、規制面での義務を十分履行できないようにさせており、また、調査要求に応じにくくさせていると述べている。

辞任したチャールズ・ジェフレスOSHA長官は、同報告書のなかで、会計検査院の所見の多くに同意している。しかし、同氏は、「四機関の所管業務の重複がはっきりしているのは、事故調査だけだ」と考えている。ジェフレス長官は、新設され、目下、役割を模索中の化学安全委員会と、OSHA、EPA、ATF間の調整努力を判定するには、「時期尚早」であるとも述べている。