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NSC発行「Safety + Health」2001年4月号

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ANSI委員会、自主的エルゴノミクス基準案(改訂版)を発表

ワシントン − OSHA(労働安全衛生庁)のエルゴノミクス規則が、議会、法廷で非難の砲火を浴びる一方、全国安全協会(NSC)が事務局を務めるアメリカ国家規格協会(ANSI)の委員会は、先日、安全衛生専門家の自主的合意基準案(改訂版)を発表した。
この基準案は、多くの企業で、累積外傷プログラムの基礎として利用できるという点で、重要と考えられており、OSHAのエルゴ基準が法的に、もしくは立法措置で棚上げされるか延期された場合にはなおさらである、最新の集計では、30もの産業団体が、OSHA規則を提訴しており、14の労組その他の団体が、さまざまな理由から、これらの訴訟に介入している。
AFL-CIOの産業衛生士、ビル・コジョラ氏は、この自主的基準は、とくに建設業、海運業、農業やOSHA基準が適用されない州政府機関の職員など、職業性筋骨格障害(MSD)から労働者を保護するプログラムのない使用者が必要としているものであると述べた。同氏は、ANSI基準は、エルゴノミクス的諸問題に対し、プログラム的なアプローチを用いており、職業性の危険および経営者の責務を強調している点で、OSHA基準に類似していると、指摘している。
本提案は、累積外傷障害管理に関するANSI公認基準委員会が開発したが、同委員会は、OSHAの多数の前例やいくつかの州基準を手本にしようとしている。また、可能ならば、筋骨格系障害(MSD)対処のための限界水準を開発し、労働者の手や手首、前腕への累積外傷の基準を設定しようと模索している。
 本提案は、1998年に収集した135ものコメントへの対応も含め、議決権を有する労使、専門家、学識経験者55名のパネル小委員会による第2次提案である。「累積外傷障害」という用語は、「筋骨格系障害」に置き換えられた。新しい用語は、より記述的で、職業性のエルゴノミクス的障害と非職業性障害との区別に役立つからである。