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NSC発行「Safety + Health」2001年4月号

OSHAの最新情報


諮問委員会、ブッシュ政権に労働安全の優先を要請

官公庁労働組合及び政府機関管理職員16名からなる諮問委員会は,環境問題と併せ,労働者の安全衛生保護を、連邦政府の「根幹的管理価値基準」とするよう、ブッシュ政権に要請すると議決した。
 同委員会によれば、民間部門の使用者が、過去10年間に傷病率の低減や有毒物質の排出削減において、空前の改善をみせたのにもかかわらず、政府は、十分参与しなかった。
 同委員会はまた、民間使用者の義務を定める立場にある連邦政府は、労働者および環境保護の範を示すべきであると指摘している。
 議会および連邦政府機関は、民間部門に課している規制を自ら採択していないとして、ひろく批判されている。上院雇用・安全・訓練小委員会の委員長を務めるマイク・エンジ上院議員(ワイオミング州、共和党)は、OSHA基準を連邦政府機関に適用しようと推進している。
 同委員会の結論は、正式な勧告となる前に、エレイン・チャオ労働長官の再検討を受けねばならない。


科学委員会、OSHA結核基準の考えを支持

全米科学学会の委員会は、先日、保健医療労働者を結核からよりよく保護するOSHA基準について、同基準が現行の結核管理対策と合致し、保健医療施設に対して柔軟性を与える限り、同基準を支持した。
 全米科学学会の衛生政策部門である医学研究所の委員会は、保健医療労働者の結核感染のリスクおよび連邦規則の効果について調査するようにとの、1999年の議会の要請に応じた。
 OSHAは、この種の基準として、1997年度案をめぐり作業、まもなく発表する準備をしていた。しかし、ブッシュ政権は、大統領令で、いかなる新規則も当面延期することとした。




ブッシュ、OSHAの在宅勤務安全規則を禁ずる予定


ブッシュ政権は、OSHA〔労働安全衛生庁〕が、在宅勤務する従業員の自宅オフィスを規制するのを禁ずるよう、労働安全衛生法の修正を議会に求めると語った。
 この提案は、大統領の障害者のための「自由イニシアチブ」の一環として、「障害者を労働力に統合する」とした在宅勤務促進政策イニシアチブのリストの第1項目である。
 同政権は、OSHAは、自宅オフィスの安全を規制し、使用者に対しては、安全条件・手順の欠如に対し、使用者の責任を問う権限を有するとした、1999年のOSHAの解釈書簡を引用。
 ブッシュ政権は、この提案では、使用者は、潜在的な責任を免れようとするため、在宅勤務に冷水を浴びせるようなものだと指摘。OSHAはその後、使用者団体の猛烈な抗議を受けて、書簡を撤回したが、ブッシュ政権によれば、当局は「将来の活動を排除したわけではない」。
 2000年1月、チャールズ・ジェフレスOSHA長官〔当時〕は、OSHAは、在宅勤務に冷水を浴びせたことも、また、浴びせるつもりもないが、1970年の法令は、安全規制の適用から自宅オフィスを除外しているわけではないと、議会で証言した。
 ジェフレス長官は、証言の際、従業員の自宅で、職務上、危険な物・器具や作業工程を要する場合にのみ、OSHAは、従業員宅の労働安全について、使用者の責任を問うと述べ、OSHAは、自宅オフィスを監督しないと発言した。



新連邦政府のポストに、マカティア、アイゼンブレイ両氏が任命される


デイビット・マカティア労働次官(鉱山安全衛生庁(MSHA)担当)は、2000年12月、労働省の給付再検討委員会の委員に任命された。
 この委員会は、炭鉱労働者のための黒肺給付法および港湾労働者災害補償法のもと、行政法審判官の上訴請求を決定する。ロバート・エラム労働次官補(MSHA担当)は、次官代行を務める。マカティア氏は、労働省の法務官代理を務めたこともある。
 ロス・アイゼンブレイOSHA政策部長は、1月、クリントン前大統領により、労働安全衛生再検討委員会に任命されていた。同委員会は、OSHAの法施行に関し、使用者または労組の異議申し立てを裁決する。
 この任命で、アイゼンブレイ氏は、2001年度の議会会期末まで委員として務めるが、その間に、ブッシュ大統領が同氏を交替させられるかどうかは、法律論争を呼ぶ。
 アイゼンブレイ氏の任命で、定員3名の同委員会は、2名が民主党員となる。共和党員のゲーリー・ビッシャー氏は、先日、ワシントンのアメリカ鉄鋼研究所の労働者関係担当副会長に就任するため、委員を辞した。