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NSC発行「Safety + Health」2001年6月号

ニュース


EPA、清掃費用を求めてW・R・グレイスを提訴

ワシントン − 本誌でも最近報じたが、石綿は、米国のいたるところで、依然、大問題である。EPA(環境保護庁)は、モンタナ州リビー市近郊にあるW・R・グレイス社のバーミキュライト(蛭石)鉱山の石綿汚染にかかる調査・清掃費用に充てる一千万ドル強を求めて、同社を訴えた。当局は、W・R・グレイス社が、第11章会社更生法の申請を発表した1日前に提訴した。
 リビー市周辺の土地は、家庭用断熱材その他の製品に使用されるバーミキュライト(蛭石)が採掘され、市の内外で精製された70年間にわたり、石綿で汚染された。バーミキュライト(蛭石)鉱石には、石綿が混じっていた。
 EPAは、精製工場2棟と鉱山へつづく砂利道で、高濃度の石綿汚染を特定。リビー市内外の家庭や校庭の抜き取り調査を継続する。
 「リビー市の公衆衛生や環境を危険にさらしている石綿汚染を一掃することが、最優先課題である」と、EPAのポール・ペロナード現地調整官は述べた。「今回の訴訟の目的は、汚染浄化費用を、納税者ではなく、汚染をもたらしたW・R.・グレイス社に支払わせようということである。」
 EPAは、シアトル・ポスト・インテリジェンサ誌が、リビー市近郊のバーミキュライト(蛭石)鉱山の石綿で、192人が死亡、少なくとも375人が重病になったと報道したのを受け、調査を開始した。