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NSC発行「Safety + Health」2001年8月号

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遺伝学的差別立法が活発化

 ワシントン − トム・ダッシュル上院議員(民主党、サウス・ダコタ州)が、上院多数党院内総務となった現在、同議員提案の遺伝学的差別立法が真剣に受け止められている。「今こそ、法律が科学に追いつく時である」とダッシュル議員は、最近の記者会見で述べた。「科学で1歩前進し、人権で2歩後退するわけにはいかない」。
 ダッシュル議員は、エドワード・ケネディ議員(民主党、マサチューセッツ州)と共同で、同法案を提案した。
同法案は、使用者が、採用決定の際に遺伝学的情報を用いること、保険会社が、遺伝学的情報を用いて、保険対象範囲を制限または拒否することを、それぞれ禁ずる。ダッシュル議員のみが、同法案の推進者というわけではない。ブッシュ大統領も、週例ラジオ放送で、本題を取り上げた。
 大統領は、「遺伝学的差別は、労働者とその家族にとって不公平である」と語った。「多々ある理由のなかでも、医学的憶測の域をほとんど出ないという理由で、不当な差別である」。
 下院で、過去5年間、遺伝学的差別法案を提案してきたルイーズ・M・スローター下院議員(民主党、ニューヨーク州)は、本題が然るべき注目を浴びつつあるのは、喜ばしいと語った。
 「誰もが完全な遺伝子を持っているわけではない。遺伝学的差別が許されるならば、我々は皆、就職もできず、保険にも入れないということになる」と同議員。