このページは国際安全衛生センターの2008/03/31以前のページです。
NSC発行「Safety + Health」2001年11月号

ニュース

スカリア氏、上院聴聞会でエルゴノミクスに関する自身のスタンスを弁護

 ワシントン − 米最高裁判所判事アントニン・スカリア氏の子息で、ブッシュ大統領が労働省の主席法律顧問に指名したユージーン・スカリア氏は、上院の確認聴聞会で、労働安全法規に対する自身の対立的な姿勢を弁護した。
 スカリア氏は、とくにエルゴノミクス基準を「いかさま治療」「おんぼろ科学」と称し、批判していた。しかし、エルゴノミクス関連傷害が存在するということは信じると同氏。件のエルゴノミクス基準は「行き過ぎ」で、同基準を裏付ける科学的根拠では、最高裁が確立した法的「科学的データ」基準を満たさなかったと述べた。
 「弁護士が、私的予定表を進めるために法律助言を控えたり、歪曲するなどは、弁護士としての厳粛な義務へのゆゆしき背信行為である」と、スカリア氏は聴聞会で述べた。同氏はまた、「労働法規は、真摯に受け止められなければならない。指名が確定すれば、法規の施行に全力を注ぐことを誓う」と語った。
 エドワード・ケネディ(民主党、マサチューセッツ州)、ジョン・エドワーズ(民主党、ノース・カロライナ州)両上院議員は、聴聞会でスカリアを詰問し、懸案事項の概略を述べた。ケネディ議員は、「アメリカの労働者とその家族にとって重要な諸問題について、スカリア氏は、大勢からはずれた見解を有する」。エドワーズ議員は、スカリア氏が、「労働者を十二分に正しく代表するに足る共感」を持ち合わせているか、尋問した。
 ジャッド・グレッグ上院議員(共和党、ニューハンプシャー州)は、「両院で超党多数により廃案となった法規に氏が反対したからとの理由で、氏を不適格とするのは合理的ではない」と発言し、擁護した。
 労働法務官として確認されると、スカリア氏は、200近い労働法規の施行を任される。安全衛生、最低賃金、年金保障など、同省の事実上すべてのイニシアチブに関し、法律助言や指導を行う。
 労働組合は、スカリア氏就任反対を公に発表しており、事業者団体は、同氏の指名を支持している。スカリア氏が労働法務官になる可能性は、無所属のジェイムズ・ジェフォーズ上院議員の投票次第といえる。