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NSC発行「Safety + Health」2001年12月号
ニュース
保健社会福祉省(Health and Human Services)、新任務と格闘
ワシントン− トミー・トンプソン保健社会福祉省長官は、悪夢のなかで、今日採択された役割を同省が履行するなどとは、夢にも思わなかったに違いない。
航空機が世界貿易センタービルに激突して、トンプソン長官は、国家非常事態を宣言した初の同省長官となった。長官は、現場に何トンもの医療品、何百人もの保健職員、葬儀屋を送り込んだ。だが、これはほんの始まりに過ぎなかった。
生物テロが発生して、保健社会福祉省は、疾病の検出、発生の調査、備蓄医薬品と応急物資の供給を一手に引き受けた。
9月11日の対米テロ以降、メリーランド州ロックビル市の緊急対応局は、24時間体制で任務についている。対米テロ発生直後に、トンプソン長官は、生物・化学的脅威への政府の対応を支援する、生物テロチームを編成した。
10月、炭疽菌により、ワシントンの郵便局職員2名が死亡して以来、トンプソン長官は、議会と報道機関に対し、同省の仕事ぶりの弁護を強いられている。長官は、CNNに対し、同省は、炭疽菌攻撃への対応のしかたを変え、「手紙の経路を、郵便局全てを通して追跡する。我々は任務に就き、すばやく調査する。支援の必要な人々や何らかの徴候のある人々には、炭疽菌に有効なCiproまたはその他の抗生物質を配給し始めている」と述べた。しかし、保健社会福祉省がこれ以上の死者を出さないようにするには、多額の資金が必要である。
ブッシュ大統領の200億ドルの緊急救済予算要求には、潜在的な生物テロ攻撃への対応・処置のための保健社会福祉省予算、15億ドルが含まれている、主要な内容は、次のとおり。
・ 全米医薬品備蓄の増量。本提案には、潜在的な炭疽菌暴露から1千2百万人もの国民を保護するに足る抗生物質の確保を目的とした6億4千3百万ドルが含まれる。
・ 新しい生物テロ・対策手段開発の迅速化。ワクチン、薬物療法、診断テスト、他の政府機関や民間産業との協議等、食品医薬品局の業務の促進に、3千4百6十万ドル。
・ 州、地方自治体の対策の強化。州、地方自治体の生物テロ対策関連活動に、1億7千5百万ドル。
・ 天然痘ワクチン供給の拡大。天然痘ワクチンの開発、入手の迅速化に5億9百万ドル。
「ここ数週間、我々は、潜在的な生物テロ事件の封じ込めに向け、迅速かつ効果的に対応できることを示したが、一方で、今後ともアメリカ国民をより良く保護するためには、これまでの進捗をもとに迅速に進まねばならないことを承知している」とトンプソン長官は述べた。「この緊急要求で、大規模な攻撃により必要となる医薬品その他の供給物資を増量する」。
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