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NSC発行「Safety + Health」2001年12月号
ニュース
対米テロ、労働者の集中力を阻害
ワシントン − 労働者の大半は、現在も、9月11日の対米テロに動揺し、炭疽菌の恐怖におびえている。実験心理学ジャーナル今月号(Journal of Experimental Psycology Vol. 56, No. 12)に発表された調査によると、脅迫的イメージは、非脅迫的イメージより長時間注意を引くため、人々は、通常の業務に傾注しにくくなっている。この傾向は、対米テロ以前から不安を感じていた人に、特に顕著にみられる。
英国エセックス大学の調査チームは、人間は、脅迫的なイメージに自然と集中すると述べた。脅迫的な刺激に集中することにより、動物や人間は、潜在的な脅威をよりよく分析できるのだろうと、調査チームは推測する。「この注意の偏りは、何世紀も前から、他の動物の攻撃から身を守ろうとして、発達してきたものに違いない」と主筆のエレイン・フォックス博士は語った。今日では、我々の身辺のいたるところにあるように思われる脅迫刺激は、人々の業務遂行能力の妨げとなっている。
ワシントンを拠点とするアメリカ心理学協会によると、感情操作は、テロリストの目標の一つであると理解することが重要である。労働者には、不安軽減の一助として、次の方法を用いるよう支援または奨励するとよい。
- できるだけ通常の生活をおくるよう努める。
- ニュース・メディアへの暴露を制限する。ニュース報道を見すぎると不安が高まる。
- 自分の気持ちを他人に話す。ストレスを分かち合う、また、散歩や読書のための時間を確保する。
- 熟練感や自制心を得られるよう、得意なことをする。
- 脅威について学ぶ。
- 心身を鍛えて強くなり、ストレスを減らす。定期的に運動し、クロスワード・パズル、ボード(盤上)ゲームやジグソーパズルのような集中力を要する活動をする。くつろぎを増進するために、パンやケーキを焼いたり、執筆、素描や演奏のような創造的な活動に参加する。
- 対処手段としてユーモアを用いる。テレビのコメディー番組を見る。コメディー・クラブに行く。ユーモラスな本を読む。
労働者が、日常業務にも支障をきたす場合は、心療専門家の援助を仰ぐべきである。
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