このページは国際安全衛生センターの2008/03/31以前のページです。
NSC発行「Safety + Health」2002年1月号

ニュース

炭疽菌事件で、関係当局、警告を相次ぎ発令

 ワシントン − 郵便その他の労働者が、報道機関や議員宛の郵便物に付着していた炭疽菌胞子に感染した事件を受け、OSHA、米郵政公社および疾病対策予防センターは、郵便物取り扱いや潜在的に有毒な生物病原体に対処するためのガイドラインを発表した。
 OSHAは、「炭疽菌マトリックス」を開発、これは、労働者への炭疽菌リスク評価、保護具の支給、安全な労働慣行の特定について、事業者を手引きするものである。ピラミッド型のマトリックスは、3層から成る。低レベルの暴露危険については緑、中レベルは黄、高レベルは赤で、各レベルに応じた対策についてガイダンスを設けた。OSHAのガイドラインは、労働者に、疑わしい書簡や小包、特に異常に重い物や通常のものとは違うサイズのもの、宛名が手書きのものには警戒するよう勧告している。OSHAはまた、小包の内容物を振る、取り出すなどしないよう指導している。
 郵政公社ガイドラインは、過剰にテープ貼りや紐がけされたもの、宛名が役職名だけのもの、あるいは不正確な役職名のもの、また切手が余分に貼ってあるものに注意することなどを含む。炭疽菌がこぼれた場合には、中身に触れない。現場から退避し、石鹸と温水で手を洗い、警察、郵便監査官、地元の消防署有害物質担当班を呼ぶこと。
 アトランタにある疾病対策予防センターも、疑わしい郵便物の取り扱いに関する類似のガイドラインを出した。センターは、これとは別に、郵便物を取り扱う労働者を炭疽菌から保護するためのガイドラインを配布した。ガイドラインには、効率の高い微粒子フイルターが付いた産業用電気掃除機、炭疽菌粒子がエアゾール化した恐れのある場所では、労働者の人数や入室者の制限、適切な場合には、労働者への手袋、呼吸用保護具の支給といった工学的管理が含まれている。
 センターはまた、救急隊員、行政官や公衆衛生担当官に対し、自給式呼吸器、防護服や呼吸用保護具といった保護具の使用に関する勧告に従うよう、一連の暫定ガイドラインも発表した。