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NSC発行「Safety + Health」2002年2月号

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報告書、空港の警備強化を要求

 9月11日の航空機ハイジャック事件を受け、商業用航空機がテロリストの攻撃対象とならないようにするにはどうすべきか、高い関心を集めている。先日、空港警備チェックポイントを連邦政府の管理下に置くとした警備法案が、議会を通過、ブッシュ大統領も署名した。しかし、ウエスト・バージニア大学の教授2名は、もっと対策を講ずるべきだと主張している。
 このたび出版された報告書で、ダニエル・デラ‐ギスティナ博士とトーマス・メロイ博士は、空港および航空機の警備を改善する手段を提案している。即時対策として、航空警察は、効果的な抑止力があるが、航空機に小火器を導入するのと同様、費用がかかると、博士らは認めている。航空警察は、短期間対策として勧告している。
 博士らは、もう一つ、コックピット(操縦室)ドアを防衛するため、全ての航空機に気泡生成装置を即設置するよう、勧告する。たとえば767型機で、毎分千立方フィートの気泡を発生させるのは、簡単な低出力の装置ですむ。気泡は、ハイジャック犯の目をくらまし、混乱させ、呼吸や仲間同士の連絡を困難にする。ハイジャック犯の逮捕の折、または警報の誤作動の場合は、消泡剤で発泡剤を相殺する。
 博士らはまた、「ハイジャック進行中」警報を勧告。警報は、コックピットに一つ、航空機後部に一つ、ファーストクラスに一つの三つのスイッチで構成。これで、乗客にハイジャック進行中を知らせ、他のパイロットや地上から見えるよう、着陸灯を点灯させ、航空管制官に信号を送る。
 デラ‐ギスティナ、メロイ両博士は、新航空機への防犯扉の設置とともに、コックピットの扉の強化は、近々実施すべきであると語った。
 デラ‐ギスティナ博士はまた、安全・警備保障訓練を、空港の審査係全員の業務の一部に取り込むべきであると語った。「これら空港ターミナルで働く人々は、給料をもっと増やして、専門家にならなければならない。町角から、時給5ドル50セントで人を雇って、適切な空港警備を期待できるわけがない」。