NSC発行「Safety + Health」2002年2月号
ニュース
職場における薬物使用が増加
ニュージャージー州テタボロー − クエスト・ダイアグノスティクス社の半年毎の薬物テスト指数によると、2001年上半期には、米国の一般労働者の間で、職場での薬物使用が増加した。
同指数によると、同社が実施した薬物検査総数に対する陽性の検査結果の比率を示す陽性率は、2000年の4.9%から、2001年には5.0%に増加した。これまでの薬物検査指数によると、陽性率は、1999年から増加している。
三種類の職場薬物検査、すなわち事故後、無作為抽出および職場復帰で、増加傾向がみられた。クエスト社は、職場復帰検査を、前回の陽性検査による停職後、職場に復帰した人に対する検査と定義づけている。
物質濫用・精神衛生サービス局のロバート・ステファンソン職場プログラム部長は、結果は「常識的な警鐘」であると語った。保健・社会福祉省の一機関として、当局は、連邦政府職員や取締り産業の薬物検査を監督、また検査施設に対する薬物証明の下付を監督している。
ステファンソン部長は、薬物使用の減少が数年続き、企業は、物質濫用プログラムについては「型どおり」に対応しているので、プログラムを再検討する必要があると主張した。クエスト社のデータは、「国レベルで重要な検査情報源である」としている。
しかし、指数は、悪いニュースとともによいニュースももたらす。連邦政府が検査を義務付けている、安全がとくに問われる労働者の間では、陽性率は、2000年の3.1%から2001年には3.0%へと、減少し続けている。この種の労働者には、パイロット、バス、トラック運転手、原子力発電所の労働者が含まれており、運輸省および原子力規制委員会は、日常的な薬物検査を義務付けている。
「このデータは、連邦政府が検査を義務付けていない、安全責任の高い労働者について、事業者は、労働者の薬物乱用の徴候や症状にとくに注意を払うべきであると示唆している」と、クエスト社法人保健部のR・H・バリー・サンプル科学技術部長は語った。サンプル部長はまた、同社は、一般労働者向け薬物検査の大半を、採用前の選別の際に実施していることを指摘。しかし、陽性検査結果の大半が生じたのは、採用後である。
ステファンソン部長は、連邦政府が検査を義務付けている、安全責任の高い労働者と、一般労働者を厳密に比較することについては、警告を発している。連邦労働者は、通常、採用前に、経歴チェックなどでより入念に選別されている。
指数のレートは、2001年1月〜6月の間にクエスト・ダイアグノスティックス社が実施した3百万以上もの職場薬物検査の結果に基づくものである。検査結果の全容については、
www.questdiagnostics.comで入手できる。
一般労働者の陽性率
1月〜6月 |
2001年 |
2000年 |
1999年 |
定期的 |
3.4% |
4.4% |
4.5% |
事故後 |
6.1% |
5.9% |
5.6% |
採用前 |
4.5% |
4.5% |
4.5% |
任意抽出 |
7.9% |
7.7% |
6.9% |
職場復帰 |
5.5% |
5.3% |
5.5% |
|
被験者分類別陽性率
1月〜6月 |
2001年 |
2000年 |
1999年 |
連邦政府が検査を義務付けている安全責任の高い労働者 |
3.0% |
3.1% |
3.2% |
一般労働者 |
5.0% |
4.9% |
4.8% |
|
出所:クエスト・ダイアグノスティクス社、2001年