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NSC発行「Safety + Health」2002年4月号

ニュース

自給式呼吸器の検定手続き変更

 ワシントン − 昨年の対米テロ攻撃と炭疽菌騒動をうけ、NIOSH(国立労働安全衛生研究所)は、新たなテロ攻撃に際し、救助隊員の呼吸器を適切に保護できるよう、自給式呼吸器の新しい検定手続きを実施すると発表した。
 呼吸用保護具メーカーに宛てたNIOSH書簡は、昨年9月11日の世界貿易センター・ツインタワー攻撃と、その後に続いた、致死性のある炭疽菌胞子入り郵便物騒動の所産である。書簡によれば、スキューバ式酸素タンクを含む自給式呼吸器の新検定では、自給式呼吸器は、化学、生物攻撃、放射能や核攻撃に対応できるものでなくてはならない。
 これは、製造業で用いられるシリカ粉塵、有毒化学物質や、その他の職場での呼吸危害に対する保護という、従来の自給式呼吸器の守備範囲を超えるものである。有毒液体の飛散といった危害から保護する「半面型マスク」のような、他のタイプの呼吸器や、防護性に優れた吸収缶付き呼吸用保護具の新検定については、後日とりかかるだろうと、NIOSHスポークスマンのフレッド・ブロッサー氏は述べた。
 また、これらの器具の新検定手続きは、自給式呼吸器メーカーに対し、使用期間の長い新設計の検討を促すことになるだろうと、ブロッサー氏は述べた。
 OSHAは、世界貿易センターのような緊急事態に際し、呼吸用保護具の調達、支給、利用をめぐる改善策を、目下検討中であると述べた。