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NSC発行「Safety + Health」2002年4月号

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高齢者の墜落・転落転倒防止法案


 ワシントン − 衝撃的な統計がある。65歳以上で、負傷に起因する死亡原因の首位は、墜落・転落、転倒である。しかも、腰部を骨折したうちの4分の1は、1年以内に死亡する。1998年には、米国では16,274人が、墜落・転落、転倒による負傷がもとで死亡しており、このうち11,000人は75歳以上であった。
 こうした死傷を減らそうと、ティム・ハッチンソン上院議員(共和党、アーカンザス州)とフランク・パロン下院議員(民主党、ニュージャージー州)は、2002年高齢者墜落・転落、転倒防止法案を提出した。
 「高齢者墜落・転落、転倒防止法は、墜落・転落のリスクを減らし、墜落・転落、転倒しやすい人々を特定し、墜落・転落、転倒の再発を防ぐ目的で、教育、調査、デモンストレーション・プロジェクトに必要な資源を提供する」と、ハッチンソン上院議員。
 パロン下院議員は、墜落・転落、転倒防止は、メディケア、メディケイドの費用を節約できると述べた。アトランタ市の疾病対策予防センターによると、墜落・転落、転倒関連の医療費は、毎年200億ドル以上にのぼる。
 「われわれの保健医療制度の大部分は、病院への入院やナーシングホームでの介護など、施設収容を指向するもので、最終的に施設収容を招く諸問題を防止しようと努めるのとは対極にある」とパロン下院議員。
 本法案は、全米安全評議会(NSC)が支持・後援した。法案が議会を通過すれば、イリノイ州アイタスカ市に拠点を置く同評議会は、墜落・転落、転倒の減少、その影響の軽減をめざし、全米規模で、教育戦略やデモンストレーション・プロジェクトを展開する。
 「わが国を強く健全な国として維持するのであれば、高齢者層の墜落・転落、転倒は、対処すべき甚大な公衆衛生問題である」と、全米安全評議会のアラン・C・マクミラン会長は語った。

・ 写真キャプション:全米安全評議会アラン・C・マクミラン会長兼CEO(最高経営責任者)(右)と、法案を提出するフランク・パロン下院議員(左)、ティム・ハッチンソン上院議員(中央)。