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NSC発行「Safety + Health」2002年5月号

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労組、エルゴノミクス問題の進展に向け、訴訟を起こす

 ワシントン − 食品商業労働者連合は、テキサス州ラフキンにあるピルグリムズ・プライド社の鳥肉工場の労働条件は危険であると主張して、OSHAに対し、エルゴノミクス関連の措置を講ずるよう求めて、連邦裁判所に申し立てた。
 食品商業労働者連合は、事業者は、危害のない安全で健康な職場を提供せねばならないとした、OSHAの一般義務条項をもとに、告訴した。
 鳥肉加工は、国内で最も危険な職業のひとつであり、毎年5人に1人が負傷している。
 食品商業労働者連合のジャッキー・ノウエル労働安全衛生部長は、反復性負荷傷害による外科診療件数は、すさまじい数にのぼると述べた。ノウエル部長は、傷害には、手根管症候群や、親指、肩、ひじの負傷などが含まれると述べた。
 ラフキン工場の従業員の大半は、移民や少数民族であるため、ピルグリムズ・プライド社などの企業は、これらの労働者の不安や労働者の権利に関する教育の欠如に付け込んでいると、ノウエル部長。
 ピリグリムズ・プライド社のジェイン・ブルックシャー人的資源担当副社長は、こうした主張に真っ向から対立、「われわれは、早期発見・対策を強調しており、職種別に正しい職務遂行のしかたについて訓練を提供し、必要な折には、適切な医療を提供している」と述べた。同氏は、OSHA(労働安全衛生庁)は、ラフキン工場を数度訪れたが、エルゴノミクス問題で同社が召喚されたことは一度もなかったと付け加えた。
 OSHAのスポークスパーソンは、同庁は、調査・告発に6ヵ月間の期間を有すると述べたが、現在進行中の調査については、コメントを控えた。
 1980年代後半から1990年代初頭にかけて、食品商業労働者連合は、OSHA一般義務条項を根拠に、食肉加工産業を数件に及び告訴した。ピルグリムズ・プライド社訴訟も、この種のキャンペーンの再開かとの問いに、ノウエル氏は、「われわれは、頼りとするものがないような気分である。(エルゴノミクス)基準撤回の1周年記念日を迎えたが、OSHAはなにか講じようとしているようには見えない。われわれは、仲間の面倒を見なければならない」。