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NSC発行「Safety + Health」2002年5月号

ニュース

EPA、グラウンド・ゼロ(爆心地)活動で、非難の的

ワシントン − マンハッタン南部でのアスベスト、重金属その他の汚染物質の水準に関し、懸念が高まっている。消防署によると、ゼロ地点(爆心地)で作業する消防隊員の4人に1人は、呼吸性の、または、喘息様の症状を示している。
 危険にさらされているのは、作業員だけではない。この地域の自宅に戻ってきた人々は、層をなす粉じんを目の当たりにし、有害物質の水準に懸念をあらわにしている。
 対米テロの数日後、クリスティ・ホイットマンEPA(環境保護局)長官は、大気の安全性を表明したが、EPAは、清掃・検査義務を怠っているとの批判もある。
 EPAは、屋外の大気を検査し、長期的な健康上のリスクはないと結論した。しかし当局は、屋内の空気検査については、州、地方当局に委ねた。
 ホイットマン長官は、マンハッタン南部を調査する屋内空気特別調査団を編成すると約束したが、そのような調査団はまだない。
 ジェロルド・ナドラー下院議員(民主党、ニューヨーク州)は、EPAは、国家不測事態対応計画に基づく取締りを怠っているとして、連邦法違反で同局を告発した。
 「ニューヨークは、米史上最大のひとつに数えられる大災難の中心となったが、EPAは、本質的には逃げ腰だ」と、ナドラー下院議員は、声明で述べた。ナドラー下院議員は、国家有害廃棄物担当のEPAオンブズマン(行政監察官)、ロバート・マーティン氏に対し、爆心地の大気の質に関するEPAのデータについて、公聴会を設けるよう要求した。
 ニューヨークでの公聴会のひとつで、マウント・シナイ労働衛生クリニックの内科部長、ステファン・レビン医学博士は、爆心地で働く建設作業員数百人もの副鼻腔炎、気管支炎、喘息を診療したと証言した。