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NSC発行「Safety + Health」2002年7月号
ニュース
吸入性結晶シリカに関するNIOSH報告書
ワシントン― 吸入性結晶シリカについて、国立労働安全衛生研究所(NIOSH)が勧告する暴露限界を下回る暴露の場合、いつの時点で、あるいは、はたして健康が危険にさらされるかどうか。これについては、既存のサンプリング・分析手法では見極められないと、NIOSH報告書は結論した。
NIOSHが勧告する吸入性結晶シリカ、いわゆるシリカ粉じんの暴露限界は、空気1立方メートルあたり0.05ミリグラムである。これ未満の場合、暴露の影響を正確に把握する科学的手段はない。
報告書は、より正確な手法が開発されるまでは、NIOSHは、引き続き0.05mg/m 3を暴露限界として適用するとしている。しかし、可能であれば、有害性の低い代替物質へ切り替えるよう、また、適切な呼吸用保護具を使用するよう勧告している。
報告書によれば、米国内では、建設業、サンドブラスト業、鉱業など、数多くの産業や職業にわたり、少なくとも170万人の労働者が、シリカ粉じんに暴露している。シリカ粉じんへの職業性暴露にもっとも深く関わってくるのは、不可逆性だが予防可能な珪肺である。最近のデータは、NIOSHの勧告する現行の暴露限界でも、職業生活の期間に、珪肺を発症する危険性があることを示している。
報告書は、シリカ粉じんへの職業性暴露に関連する健康へのリスク、疾病を検討、最近の調査結果を吟味し、今後調査すべき分野を勧告している。
報告書は、オンライン、 www.cdc.gov/niosh/02-129A、または電話800-356-4674で入手可。
吸入性結晶シリカの暴露限界
機関 |
物質 |
ガイドライン(mg/m3) |
国立労働安全衛生研究所(NIOSH) |
結晶性シリカ:石英、クリストバライト、鱗珪石といった吸入性粉じん |
暴露限界=0.05を勧告(週40時間労働で、一日10時間労働まで) |
労働安全衛生庁(OSHA) |
吸入性結晶シリカ、石英 |
許容暴露限界=10÷石英%+2(8時間加重平均) |
吸入性結晶シリカ、クリストバライト |
許容暴露限界=上記石英の計算式で得た値の半分 |
吸入性結晶シリカ、鱗珪石 |
許容暴露限界=上記石英の計算式で得た値の半分 |
鉱山安全衛生庁(MSHA) |
地下、地表面の金属性、非金属性鉱床の吸入性クオーツ |
許容暴露限界=10÷石英%+2(8時間加重平均) |
地表、地下の炭鉱で、濃度5%未満の吸入性結晶シリカ |
吸入性粉じん基準=10÷石英%+2(8時間加重平均) |
米国産業衛生専門家会議(ACGIH) |
吸入性結晶シリカ、石英 |
閾値(TLV)=0.05(8時間加重平均) |
吸入性結晶シリカ、クリストバライト |
閾値(TLV)=0.05(8時間加重平均) |
吸入性結晶シリカ、鱗珪石 |
閾値(TLV)=0.05(8時間加重平均) |
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