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NSC発行「Safety + Health」2002年8月号
ニュース
にわか活動で、化学委員会の混乱、鎮静か |
にわか活動で、化学委員会の混乱、鎮静か
ワシントン― ホワイトハウスは、米国化学物質安全性調査委員会(U.S. Chemical
Safety and Hazard Investigation Board)の空席を埋め始めた。同委員会は、化学工場の爆発火災を調査し、OSHA所管産業向けに、安全改善を勧告する。
大統領は、委員会の委員長兼最高経営責任者(CEO)に、最近までイリノイ州ノースブルックにあるIMCグローバル(株)の環境安全衛生担当上席副社長を務めたキャロリン・メリット氏を指名、また、定員5名の委員のひとりに、ニュージャージーに本社を置くエンバイロンメンタル&セイフティ・アセスメント・リスクLLC社の社長、ジョン・S・ブレスランド氏を指名した。委員会のジェラルド・ポウジェ委員は、暫定役員に指名された。委員会の委員3名は、ポール・ヒル氏が、役員や委員会の権限を巡り、他の委員らと争うなか、2000年1月に委員長職を辞して以来、役員としての職責を分かち合ってきた。
一方、同委員会は、チャールズ・ジェフレス氏を委員会の最高経営執行者(COO)に指名した。ジェフレス氏は、クリントン政権末期のOSHA長官で、不運なエルゴノミクス基準の先鋒をつとめ、論議を呼んだ。
化学委員会、非難の的
最近、委員会の管理陣は、化学安全対策に対応していないと非難を浴びている。
新しい報告書で、OSHAのジョージ・J・オプファ監督総監は、議会の要請に対応した委員会の措置では、たとえば、最近までの委員長職、最高経営執行者代行職の空席や、「役割・責任の不明瞭な規定が引き起こす、委員会と委員間の確執」といった、存続する問題を防げなかったと語った。
委員会は、もっと国民の目に分かりやすく行動し、「必需品の異例な調達慣行」を停止し、委員会の使命をめぐる内部抗争を解決して、もっと説明責任を負う必要があると、監督総監は述べた。
委員会は、報告書の勧告事項に同意した。しかし、委員会の予算を握る下院予算小委員会の委員長を務めるジェイムズ・ウォルシュ下院議員(共和党、ニューヨーク州)は、委員会が新しい指導力を確立しない限り、2003会計年度の新規予算で、当局を支援するのは難しいと、先日の公聴会で警告した。また、委員会は、化学工場の爆発調査により注力し、アウトリーチや訓練といった「周辺」活動を縮小すべきであるとも語った。
反応性化学物質関連法規に欠陥
あたかも、こうした非難に答えるかのように、委員会は、反応性化学物質事故の徹底調査の予備報告を公開した。連邦災害防止法規は、反応性化学物質事故から労働者他を保護するものであるが、「重大な欠陥」があると、報告書(草稿)は記す。
この所見は、1980年以降発生し、108人が死亡した167件の事故の調査に基づくものである。事故の半数以上は、OSHAの工程安全管理基準やEPA(環境保護局)の危険管理プログラム規則の適用対象ではない化学物質が関わっていたケースであった。委員会は、過去2年間、この問題を調査してきた。
調査員らはまた、産業界が、化学反応に関する利用可能かつ豊富な情報を、効果的に活用していないことを明らかにした。「われわれが分析した事故の90%は、一般に入手可能な文献から、危険関連の情報を取得しうるものであった。しかし、連邦労働安全法規には、反応性危害の情報を見直す必要性について、細目がほとんど設けられていない」と、ジョン・マーフィ主席調査官は述べた。
これらの所見は、委員会の5月30日の会合で発表された。また、この席で、委員らは、労働者や、組合、産業、技術団体の代表から証言を聴取した。委員会は、この夏、OSHAやEPAに対し、基準の改善を要請することも含めた、一連の安全勧告に関し、票決する予定である。 |
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