このページは国際安全衛生センターの2008/03/31以前のページです。
NSC発行「Safety + Health」2002年9月号

ニュース

対米テロ後の保険の大災害リスク

 カリフォニア州ニューアーク − 昨年9月11日の世界貿易センターの惨事で、人為災害リスクに対する損害保険業界の関心が高まっているが、大地震のような自然災害も、破滅的なレベルの損害請求を生起する。リスク・マネジメント・ソル―ションズの最近の報告書は、大地震による労働者災害補償保険の損失は、世界貿易センター惨事で経験した損失を上回る可能性を指摘する。
 報告書は、1906年のサンフランシスコ大地震が、今日、再度発生すると、7.万8千人が負傷、5千人が死亡し、労働者災害補償保険に70億ドルを超える損失をもたらすとしている。これに対し、世界貿易センターのテロ惨事による労働者災害補償保険の損失は、最新の見積もりでは50億ドルである。
 報告書はまた、リスクを細分化する際に有益なデータの種類を強調する。例えば、建物の構造特性や、特定地域における地質学的要因は、地震発生時の建物倒壊や死傷災害の起こる度合いに大きく影響を及ぼす。
 リスク・マネジメント・ソル―ションズのピーター・アーリック法人リスク担当常務取締役は、労働者災害補償保険の引き受け会社の間で、大災害の危険に対する関心が高まっていると繰り返した。
 「1994年以来、人的損害と労働者災害補償保険リスクを分析してきたが、今日の精査水準は、主として、昨年9月の大惨事後の再保険費用の増加により、今までになく最高である」とアーリック氏。
 「世界貿易センターの大惨事後は、企業は、最悪のシナリオが発生しうる、また発生するという事実に、より敏感になっている」。
 報告書は、www.rms.com/Publications/WorkersComp_1906_Scenario.pdfで閲覧できる。