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NSC発行「Safety + Health」2002年10月号

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衛生担当官、爆心地の疾病に注目


 ワシントン − ニューヨーク市の世界貿易センターにおける清掃・復旧作業が完了した現在、衛生担当官は、作業員やボランティアに降りかかった長わずらいや、衰弱を招くおそれのある疾病や不健康に注目している。保健社会福祉省は、ニューヨークのマウント・シナイ医科大学に1,140万ドルを拠出し、健康問題の真相を探るよう委託したと発表した。
 トミー・トンプソン保健社会福祉長官は、世界貿易センター跡地での消防士、警官、建設労働者、ボランティアらの作業が、健康へ長期的な影響を及ぼすかどうか、これを確認するため、同省は、「スクリーニング検査」に資金を提供すると述べた。労働者の間で最も懸念されているものの一つに、倒壊現場に立ち込めるヒューム(煙霧)への暴露が挙げられる。清掃作業の期間中、マスコミの記事は、労働者が、喘息や、しつこい咳、肺容量の減少を患っていると報告している。
 マウント・シナイ医科大学は、清掃作業による健康への影響について、定期的にガイダンスを発表し、地域の医療機関に対し、呼吸器官の病状のおそれのある患者が殺到することを予期されると、勧告してきた。労働者が暴露している可能性のあるものは、セメント、ガラス粉塵、アスベスト、ガラス繊維、微粒子物質や、これより大きめの粒子状物質、鉛その他の重金属、PCB、ジベンゾフランや揮発性有機化合物などである。
 保健社会福祉省のこの委託調査は、国立労働安全衛生研究所(NIOSH)が管理することとなるが、これにより、ニューヨーク州やニュージャージー州の少なくとも8千5百人の労働者に対し、無料のスクリーニング検査が提供される。