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NSC発行「Safety + Health」2002年10月号

OSHAの最新情報

OSHA、六価クロム へのコメントを募集

 OSHAは、実話に基づく映画「エリン・ブロコビッチ」の核心ともなった、天然に存在する元素、六価クロム について、その職業性暴露への最善の対処法を探るため、一般からコメントや情報を収集している。映画は、公益企業が、裏打ちされていない池に汚染排水を垂れ流し、これが地下水へと流れ込み、カリフォルニア州ヒンクリーの町の人々が、さまざまな健康障害を患う話である。
 六価クロム は、ステンレス鋼、クロム鉄、鉄鋼の生産の際、構造剤、防腐食剤として使用されたり、電着メッキ、溶接、塗装の際に用いられるのが、もっとも一般的である。六価クロム への暴露は、肺がん、皮膚病、呼吸障害と関連性がある。ヒンクリーの人々は、肝臓、心臓、呼吸器、生殖器の障害や、脳ガン、腎臓ガン、乳ガン、子宮ガン、胃腸ガン、ホジキン病や、流産の多発に悩まされた。
 OSHAの情報要求には、次の項目が含まれる。健康への影響。リスク評価。暴露水準の分析方法。職業性暴露の調査、管理対策、技術的、経済的な実行可能性。個人用保護具や呼吸用保護具の使用。現行の従業員訓練や健康診断による適格審査プログラム。環境への影響や小企業への影響。コメントの提出期限は、11月20日とする。
 OSHAの現行の一般産業基準は、六価クロム の許容暴露限界を、天井値として1立方メートル当たり100マイクログラムとして定めている。建設産業基準では、8時間加重平均として、1立方メートルあたり100マイクログラムとしている。