このページは国際安全衛生センターの2008/03/31以前のページです。
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NSC発行「Safety + Health」2002年11月号
OSHAの最新情報
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OSHA、労働者保護に向け、自主的保護プログラム(VPP)の浸透をめざす
労働安全衛生庁(OSHA)のジョン・ヘンショー長官は、労働者保護規則を侮る事業者の摘発には、躊躇しないと語った。一方で、ヘンショー長官下のOSHAは、自主的な法規遵守を通じ、労働安全を図る事業者を支援することを約束している。
OSHAの20年来の自主的保護プログラム(VPP)は、850社以上の職場で実施されており、ヘンショー長官は、この数を大幅に増やしたいと考えている。
「われわれは、プログラムを拡大させたい。より多くの人々がプログラムを享受し、生命が救われ、負傷を回避できるように。単に900社や950社ではなく、8千社まで広げたい。われわれは、新しい段階を迎えたい。」と長官。
VPP実施中の職場では、そうでない職場に比べ、業務上の傷害が50%少ないと、長官は語った。
OSHAはまた、最近、同業者組合、労働者や建設業者との間で、多くの主要なパートナーシップ、協同プログラムや提携関係を締結している。9月には、当局は、ニューヨ−ク市で複合用途の54階建てビルの建設に携わる建設業者、ボビス・レンド・リース社(Bovis Lend Lease)、建築業事業者団体、建築・建設業者協議会と、建設現場の安全衛生協定を結んだ。
また、OSHAは、インディペンデント・エレクトリカル・コントラクターズ(株)(Independent
Electrical Contractors Inc.)、ソサエティ・オブ・プラスティックス・インダストリーズ(株)(Society
of the Plastic Industry Inc.)、フロリダ南部ゼネコン協会および米国生物学的安全協会(American
Biological Safety Association)とパートナーシップを結んだ。このような関係から「われわれは、共同作業に向け、肥沃な土壌があるということを教わっている」と、長官は述べた。
2001年の労働死亡率は不変
ヘンショーOSHA長官は、労働統計局が最近発表した、2001年度全米労働死亡災害調査は、労働安全の確保に向けた「われわれへの厳しい督促状」となったと語った。
ヘンショー長官は、労働安全衛生の重要性と生命の大切さに言及した。
労働統計局によれば、2001年度の労働災害死亡者数は8,786人であり、このうち2,886人は、2001年9月11日の対米テロの犠牲者である。2001年度の統計は、対米テロで膨れ上がったが、それでも、負傷や疾病による死亡者数は、およそ並みとはいいがたいと、長官は語った。
全体的にみて、2001年度の死亡率は、基本的には2000年度と変わらないと、労働統計局は報告する。死亡者数は、建設労働者、ヒスパニック系やラテン系労働者の間で増えており、また墜落・転落による死亡者も増えた。建設業における死亡者数は、1992以来最悪の水準で、2000年度の6%増、1,225人であった。
製造業、殺人を原因とする死亡者数、若年労働者の死亡者数は、激減した。
OSHAのeツール、小企業をターゲット
規制による小企業の負担軽減をめざすブッシュ政権の方針に従い、OSHAは、「eツール」と称する代物を発表した。これは、小企業や低有害サービス業、小売業を対象に、特定のOSHA基準を遵守するため、職場で緊急行動計画を実施するのを支援する。
eツールは、OSHAのウェブサイトからアクセスできる双方向性の手段で、企業は、クリックしていきながら、各々の準備具合やニーズを決めることができる。「OSHA専門家に尋ねよう」の章では、双方向機能で数多くの質問に答え、企業は、自社に対し、OSHAが緊急行動計画の導入を義務付けているかどうかを知ることができる。
OSHAは、eツールは実際のOSHA基準や規則ではなく、法的義務もないことを強調している。
新しい路上作業ゾーン規則、12月11日発効
交通標識、信号、バリケードに関するOSHAの新しい建設基準が、12月11日に発効する。
OSHAは、この規則で、道路建設現場で毎年発生する死亡者数を100人以上、負傷者数を2万人以上減らせると期待する。全米幹線道路交通安全局(National
Highway Traffic Safety Administration : NHTSA)によれば、全体でみると、道路建設作業ゾーンでの事故による死亡者数は、2001年度は1,079人で、2000年度の53人増と急増した。被害者の大半は、自動車に乗っていた人々である。
新規則は、交通制御の改善、より有効な保護服の使用、作業員に対する追加情報やガイダンスの提供を義務付けている。本規則は、連邦幹線道路局(Federal
Highway Administration : FHWA)の1971年の統一交通制御対策マニュアル(Manual
on Uniform Traffic Control Devices)第4章に代えて、1993年版、または2000年版のいずれかに従うよう義務付けている。OSHAは、最も関係のある事業者については、すでに1996年より、更新されたマニュアルを遵守するよう義務付けてきたと言及した。
OSHA、FAA、内部告発者の保護に向け、提携
航空産業の内部告発者は、OSHAと連邦航空局(FAA)とが交わした覚書に基づき、OSHAから特別の保護措置を与えられる。
覚書は、航空会社や業者、下請業者の安全問題を告発した労働者を保護する、航空産業内部告発者保護プログラムの従業員保護条項に関し、2当局間の協力を促進する。この協定により、航空会社の安全問題に関わる差別がFAAに報告された場合には、FAAは、その申し立てを調査し、その申し立ての写しと関連書類をOSHAに回付する。
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