このページは国際安全衛生センターの2008/03/31以前のページです。
NSC発行「Safety + Health」2002年12月号

ニュース

追悼 - 安全衛生の友、ウェルストン議員

 ワシントン - 上院2期目のポール・ウェルストン議員(民主党、ミネソタ州)は、出身州で10月25日、飛行機事故で死亡したが、米国の労働安全衛生を熱心に主張した功労は、広く人々の記憶するところである。ウェルストン議員は享年58歳、保健医療改革や、処方薬、経済開発、小企業関連の目的も追い求めた。
 この遠慮のない発言をする自由主義の民主党員は、雇用・安全・訓練小委員会の委員長を務め、反復性ストレス傷害その他の職場の危害に関する議案通過に圧力をかけた。
 過去2年間、ウェルストン議員は、ブッシュ政権のエルゴノミクス対策を非難、議会の公聴会では、エレイン・チャオ労働長官に向かって、ブッシュ政権の計画は「時計の針を、前ブッシュ政権の前にまで押し戻した」と、あからさまに訴えた。ウェルストン議員は、公聴会で、ブッシュ政権のエルゴノミクス対策の中身(自主的ガイドライン、一般義務条項の施行、アウトリーチおよび法規遵守、調査の継続)は、過去10年間試みられたが、労働者を保護しそこなったと述べた。
 AFL-CIO(アメリカ労働総同盟産業別労働組合会議)のジョン・スウィーニー会長は、ウェルストン議員は「孤立無援の時ですら、働く男女の権利の擁護のためには、疲れ知らずで、弁解しない人物であった」と述べた。トム・ダッシュル上院議員(民主党、サウスダコタ州)は、不運な人々に注意を向けた故人を「上院の指導者」と呼んだ。トレント・ロット上院議員(共和党、ミシシッピー州)は、故人の逝去について「悲嘆のあまり、ことばもない」と述べた。
 アラン・C・マクミラン全米安全評議会(NSC)会長兼CEO(最高経営責任者)は、ウェルストン議員は、職場や家庭、地域社会における安全衛生問題に熱心に取り組んだと述べた。「故人は、すべてのアメリカ人の安全衛生の確保のために、不断に闘った主義の人であった」とマクミラン会長。
 ウェルストン議員は、死亡当時、激戦の再選運動で多忙を極めていた。
 本誌は、2003年1月号で、ウェルストン氏の逝去および11月の中間選挙をめぐる政治的意味を検証する。