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NSC発行「Safety + Health」2002年12月号

OSHAの最新情報

六価クロム 暴露は依然、高水準

 パブリック・シティズンの衛生調査団体によれば、米国の労働者は、危険な高水準の六価クロム に暴露し続けており、許容暴露限界の引き下げは、「緊急的に必要」である。
 ワシントンのこの監視団体は、1990年から2000年までのOSHAの労働監督データを吟味し、モニターされた企業の21%は、「六価クロム の(OSHAの)8時間暴露限界に違反している」ことをつきとめた。同時に、暴露水準の中央値は、「著しい低下を見せなかった」。
 この調査ではまた、OSHAが測定した半数以上は、検出限界を下回る水準であったことから、十分に低い許容暴露限界は「技術的に可能である」ことを証拠づけるとしている。
 六価クロム は、クロムめっき、ステンレス鋼の溶接、クロム合金鉄の製造、木材の防腐、クロム顔料・染料の製造に用いられるが、肺ガンを引き起こすことで知られている。現在、およそ百万名の労働者が、職場で常時、六価クロム に暴露していると、OSHAは推定する。
 パブリック・シティズンは、OSHAの現行法規の遵守状況を評価し、許容暴露限界の引き下げの可能性を探るため、調査を実施した。同団体は、製紙・類似産業・化学・エネルギー労働組合と共に、1993年、OSHAに請願書を提出して以来、新しい許容暴露限界を求めて、積極的に活動してきた。2002年8月、OSHAは、本題に関し、一般のコメントを求める期間(11月20日締め切り)を設けた。
本調査は、アメリカ産業医学ジャーナル(American Journal of Industrial Medicine)(Vol. 42、No. 5)に掲載された。