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NSC発行「Safety + Health」2003年1月号

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化学安全委員会、報告の欠陥の解消をめざす

 ワシントン― 米国化学物質安全性調査委員会(U.S. Chemical Safety and Hazard Investigation Board)は、米化学工場での事故による化学物質の流出に関し、報告の「欠陥」を解消するよう、努力している。
 化学工場に、改善された、整合性のある測定基準がないままでは、事故による化学物質の流出が増加しているのか、あるいは減少しているのか、これを知る手がかりはほとんど皆無であると、同委員会のイザドア・ローゼンタール委員は、2002年11月14日、50名を超える官産学リーダーが出席した討論会で、こう述べた。
 討論会の出席者は、報告の問題には、データ収集やデータの質も含まれていると述べた。たとえば、記録されない「ニアミス」は、たとえ作業効率を測定するためにも、勘定に入れるべきである。提案のなかには、EPA(環境保護庁)は、リスク管理プログラムの下で収集している記録すべき事故データを、5年間毎ではなく、毎年収集すべきであるというのがあり、多数の同意を得た。ローゼンタール氏は、OSHA、EPA、化学安全委員会等、関係機関の間で、報告がよりよく整合されれば、産業区分別のデータが得られ、どこに最大の問題があるかを特定できると述べた。同氏は、この問題について、3年以内に進展をみたいと付け加えた。
 化学物質安全性調査委員会は、規制あるいは法規施行機関というよりは、むしろ、独立した科学調査機関である。いかなる勧告や新しい規則作成も、適切な政府機関の承認を必要とする。