ワシントン― 労働省は、全米労働安全衛生諮問委員会(National Advisory Committee on Occupational Safety and Health)の新しい委員を発表した。本諮問委員会は、労働省長官と保健社会福祉省長官に対し、労働安全衛生プログラムに関する助言を行う。
定員12名の委員会の委員は、1年または2年の任期で、さまざまな分野から交替で指名される。
全米安全評議会(NSC)のもっとも知名度の高いシンボルは、疑いもなく安全緑十字である。
しかし、緑十字とNSCは、同時期にスタートしたわけではない。1913年、NSCの標章は、緑の地に白の十字を抜き、しばしば羽がつくこともあった、万国安全十字であった。緑は若さの象徴で、白は目的の純粋さと誠意、十字は救援活動を意味する。ふたつの羽は力と安全を象徴、合わせて保護を意味した。
1940年代に作られた緑十字は、寄付金集めの活動を識別するためであったが、一般人の目には、またたく間に、安全のシンボルとしてより良く認識されるようになった。「赤十字は、偉大なる「救済の母('Mother of Mercy')」。緑十字は、「予防の父('Father of Prevention')」とならんことを」との声さえ聞こえるようになった。
NSCは、1947年、安全緑十字を正式な標章として採用した。2002年、NSCは、もうひとつの十字を採用、これで、NSCの活動を識別することとした。
安全のリーダーであるNSCの創立90周年を記念して、本誌は、1年間を通じ、NSCの遺産のなかでも重要なものを紹介する。毎月号の90周年記念の囲み記事で紹介する、NSCの安全第一の取り組みにまつわる話題に期待されたい。 イラスト出所:全米安全評議会図書館
オンタリオ州ハミルトン― カナダで最近発表された調査によると、マウスのDNA(デオキシリボ核酸)は、製鋼所の風下で呼吸していると損傷を受け、当のマウスやその子孫が、癌その他の疾病にかかりやすくなる。
オンタリオ州ハミルトン市のマクマスター大学の科学者らは、突然変異は、製鋼過程でコークス炉から放出される化合物のなかまで、多環式芳香族炭化水素(polycyclic aromatic hydrocarbons)に暴露することにより、生ずるのではないかと疑っている。
調査結果は、製鋼所で働く人々や、その近郊で暮らしている人々が、大気汚染により遺伝子を損傷しうるということを示唆している。
本調査は、カナダ自然科学会議事録(Proceedings of the National Academy of Sciences)(Vol.99、No.25)に掲載された。
政府、特定因子規則を設ける
ワシントン― 保健社会福祉省および農業省は、公衆や動植物の安全衛生を脅かす可能性のある、特定の生物学的因子や毒素(select biological agents and toxins)の所有、使用、運搬について、補則を設け、より厳重な管理体制を敷いた。
保健社会福祉省の暫定規則は、従来の特定因子規則を更新したもので、人類の健康を脅かす可能性のある特定因子を所有する事業場に対し、同省への登録を義務付けている。従来の規則では、特定因子を運搬するときにのみ、登録を義務付けていた。
同様に、農業省の暫定規則も、動植物の健康を脅かす可能性のある特定因子を所有するものは、同省に登録するよう義務付けている。
2002年12月13日付けフェデラル・レジスター(官報)によると、両規則は、2月7日付で発効する。
シカゴ― 抑うつ性障害により、年間推定430億ドルの経費が発生、このうち170億ドルは、労働損失日数を表す。しかし、米国労働環境医学学会(American College of Occupational and Environmental Medicine)が先日発表した意見書によると、うつ病検査プログラムは、うつ状態の従業員を特定するのに効果的かつ安価な方法であり、最終的には先に挙げた経費を縮減する。
意見書によると、うつ病従業員を特定するもっとも単純な方法は、過去2週間に落ち込む、意気消沈する、絶望するなどの状態があったか、また、何をするにも興味を失うといったことはなかったかを、医師が問診するというものである。
適切な診断と治療で、うつで悩む従業員は、臨床的に改善をみせるようになり、その結果、職場での生産性が向上すると、意見書は述べている。
意見書の全文は、www.acoem.org/guidelines/article.asp?ID=54で閲覧できる。