このページは国際安全衛生センターの2008/03/31以前のページです。
NSC発行「Safety + Health」2003年2月号

ニュース

負傷後の薬物検査は違憲 - オハイオ州裁

 オハイオ州コロンバス― オハイオ州最高裁判所は、州内の事業者は、負傷した労働者に対し、薬物・アルコール検査を課してはならないとの判決を、4対3で下した (アメリカ労働総同盟産業別労働組合会議(AFL-CIO)オハイオ州支部対オハイオ州労働者災害補償局、2002−オハイオ−6717)。
 2001年4月に発効した法律の修正条項により、事業者は、規制薬物による中毒またはその使用により負傷した従業員に対し、労働者災害補償の給付を拒否できるようになった。従業員が検査を拒めば、推定有罪とみなされた。
 最高裁は、この法律は、不合理な捜索からの保護に違反しており、違憲であると判決した。「労働者は、単に労働災害を被ったからといって、節制を問題視されるとは予想だにしないだろう」と、ポール・E・ファイファー判事は多数派の意見を述べた。
 最高裁の判決は、本法律が反薬物的というよりは反労働者的だと考えるAFL-CIOや全米自動車労組(UAW)の大勝利とみなされる。労組側は、最高裁に対し、職務執行令状による直接介入を要請した。最高裁によれば、そのような令状は、特別な法的救済とみなされる。