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NSC発行「Safety + Health」2003年3月号

ニュース

ノースカロライナ州の爆発事故調査、続行

 ノースカロライナ州キンストン― 1月29日、ノースカロライナ州の薬品工場で従業員4人が死亡した爆発事故について、調査の核心は、潜在的原因として、ゴム加工工程での爆発性粉じんの数種類に絞られた。
 米国化学物質安全性調査委員会(U.S. Chemical Safety and Hazard Investigation Board)は、ウェスト・ファーマスーティカル・サービシズ(株)の爆発事故調査で、ゴム加工工程に焦点を絞った。この爆発で27人が負傷、うち数名は重体。工場の従業員数は、255人である。
 本誌印刷開始時点で、調査員らは、1階のゴム加工領域の上部の吊り天井が、換気不十分な空間を作り、爆発性粉じんの蓄積を招いたのではないかと調べている。また、原因不明の小規模な偶発性の爆発が、下の階での大爆発を引き起こしたのではないかと調査している。
 爆発性粉じんを生じうる物質で現場にあったものは、硫黄、ポリマー・パウダーその他の有機加工剤である。工場では、ポリイソプレンやその他の種類の合成ゴムを止め栓(ストッパー)に加工しており、多種多様なゴム加硫剤、抗粘着剤、加工剤を使用していた。
 「微細に粉砕された有機物を使用しているところではどこであれ、粉じんは、油断のならない危険要因である。こうした物質のなかには、火災の危険性は限定されているようにみえても、条件のそろった状態で空中に浮遊すると、致死的な規模で爆発することがある」と、スティーブ・セルク主席調査官は述べた。
 化学物質安全性調査委員会は、化学事故の根本原因を特定して国民に報告する、独立した連邦政府機関である。委員会は、今回の爆発事故の徹底調査を行うが、完了するのに半年から1年はかかるだろうと、キャロリン・メリット同委員会委員長は述べた。「キンストン市のがれきの中から手がかりを見つけて、事故の根本原因を特定し、当該産業における将来の安全性を確保していかなければならない」と、メリット委員長。
 化学物質安全性調査委員会のほか、アルコール・タバコ・小火器局(Bureau of Alcohol, Tobacco and Firearms)、連邦捜査局(FBI)、OSHA、環境保護局(EPA)といった連邦政府機関も、爆発事故の調査にあたっている。