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NSC発行「Safety + Health」2003年7月号
産業特集
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有害農薬訓練施設、開設
アイオワ州ぺオスタ − 米国農業安全教育センター(The National Education
Center for Agricultural Safety)は、今月、農薬の有害性を扱う新しい訓練施設を開設する。 教育センターのサム・スティール理事長によると、農業化学・無水アンモニア・プロパン訓練施設は、主として市販の農薬散布者を対象とした、化学安全訓練の実践および座学プログラムの一部をなす。農業安全教育センターでは、保険損害査定人や保険業者、消防士などの緊急対応スタッフも訓練する。 スティール理事長は、農薬の貯蔵、運搬や使用に関する情報や訓練が不足しているため、このような施設が必要とされていると述べた。さらに、プロパンの貯蔵は、農場を危険な状態にするとも付け加えた。 訓練施設は、7月15日、ノースイースト・アイオワ・コミュニティ大学ぺオスタ校内に開設される予定。米国農業安全教育センターは、同大学と全米安全評議会(NSC)のパートナーシップによるものである。
チームスターズ(Teamsters:全米トラック運転手組合)、運転手を対象に騒音調査を実施
ワシントン − チームスターズ(全米トラック運転手組合)安全衛生部は、建設用車両運転手を対象とした、業務上の騒音暴露評価を実施する。
業務上騒音暴露評価の第1段階では、ニューヨーク州レイクサクセス282地区とボストン市379地区における調合済み生コンクリート・ミキサー車の運転手の個人モニターを実施する。対象となる運転手については一人ずつ、交替勤務時間全体にわたる騒音暴露を記録する個人騒音暴露計を用いて、業務上の騒音暴露を測定する。暴露評価には、ダンプカー運転手やその他の運搬車の運転手も含まれる。
騒音暴露は、重機械や電動工具を多数利用する建設産業全般にわたり、重大な職業性の健康障害である。チームスターによると、多くの建設用車両運転手は、重度の騒音性聴力損失(Noise
Induced Hearing Loss : NIHL)を患って退職する可能性がある。NIHLは、不可逆性の永久性の聴力損失で、建設産業ではもっとも多い職業病の一つである。
ワシントン大学(シアトル市)環境衛生学部が発行した調査報告書によれば、建設業の騒音暴露に関するこれまでの調査では、機材から出る騒音水準は75〜120デシベル、作業場の騒音水準は65〜91デシベルであると報告している。建設業における業務上の騒音について、労働安全衛生庁(OSHA)は、許容暴露限界を8時間の交替勤務時間あたり90デシベルと定めている。
OSHA、歩行面・作業面基準及び個人用保護具基準の墜落・転落防止条項の改正案に関しコメントを募る
ワシントン −
労働安全衛生庁(OSHA)は、歩行面・作業面基準の改正案および個人用保護具基準の墜落・転落防止条項の改正案について、規則作成記録を90日間、再公開している。 この二基準につき、OSHAが初めて改正案を提案したのは、1990年。それ以来、技術は変化、産業慣行は進化し、管理費用にも影響を及ぼしてきたと、当局は主張する。OSHAは、こうした変化に関し、データや資料を収集するため、規則作成記録を再公開、各改正案をめぐる具体的な問題について、コメントを募集する。 歩行面・作業面基準は、重傷または致命傷の原因となるすべり、つまずきや墜落・転落から労働者を保護するため、一般産業向けの諸要件を規定している。OSHAは、検定済みはしご、固定はしごの横木幅、墜落・転落防止制御体系、足場や制御式降下装置、懸垂状態での作業用固定金具(anchors
for suspended
work)のほか、鉄道・運輸会社の所有車両、自走式、動力式機器をめぐる諸問題について、コメントを求めている。
一般産業向けの個人用保護具基準には、個人用保護具の着用や保守をめぐる要件や、目、顔、頭や呼吸器を保護する多様な個人用保護具の要件に関する具体的な条項も含まれている。OSHAは、墜落・転落防止用の胴ベルト型安全帯の着用を禁止すべきかどうかについて、また、いくつかの現行の一般産業基準の墜落・転落防止修正案について、どういうコメントが出てくるか、関心を寄せている。 コメントは、http://ecomments.osha.govにメールしてもよい。コメント送付に関する詳しい情報は、審理予定表室まで電話(202-693-2350)で照会されたい。
送電規則、見直し
ワシントン −
労働安全衛生庁(OSHA)は、電力に携わる建設安全を、電力を含む一般産業労働者に義務付けられている水準にまで向上させる狙いで、新しい送電基準を提案した。 発電所または送電線の建設・保守作業を行う事業者からなる委員会は、最終規則の決定に協力する。 OSHAは、新基準が採択されると、年間17人の死亡を予防、負傷の強度を軽減できるという。基準案では、事業者は、従業員に対し、電気の危険性に関する訓練を施し、5分間の業務説明を実施し、発注主(多くの場合、電力会社)との連絡を保ち、難燃性作業着や危険性を評価し、適切な墜落・転落防止対策を施すよう、求めている。
最終規則を公布する前に、OSHA、小規模事業局、情報規制問題室は、小規模事業規制公正法に基づき、小規模事業の代表者を交えて、規則案を協議しなければならない。小規模事業の代表者には、すでに規則案の写しが渡されており、各条項について、また、費用や時間枠が妥当かどうか、コメントするよう要請している。 委員会は、コメントを全て検討の上、これらを要約した報告書を作成、OSHAに勧告する。
鉱業労働者連盟、新炭じん規則に反対
コロラド州グランド・ジャンクション − 鉱山安全衛生庁(Mine Safety
and Health Administration :
MSHA)は、先日、コロラド州グランド・ジャンクションの聴聞会で、炭じん規則案に関し、コメントを募った。この新規則は、複数の交替勤務時間で採取した炭じん試料を平均するとした、32年来の所見を更新することとなる。当局は、すべての地下での法定粉じんサンプリングの責任を負うと提案している。
この問題について、アメリカ鉱業労働者連盟(United Mine Workers of America
: UMWA、バージニア州フェアファックス市)は、すばやく非難、規則案に批判を浴びせた。「新しい規則案は、最終的には、全米中の炭鉱の炭じん水準を上げ、米国の炭坑労働者の黒肺病(black
lung disease)を増やすだろうと、UMWAは思う」と、UMWAのセシル・ロバーツ国際会長は述べた。 現行規則では、鉱山事業者は、黒肺病予防を企図した連邦基準の遵守を裁定するのに必要な試料の大半を採取している。新規則案は、地下炭坑事業者に対する法定サンプリング要件を廃する一方、鉱山事業者には、各自の換気計画に明記した粉じん制御対策の妥当性を裏付けるために、試料を採取するよう要求する。 UMWAは、とくに粉じんからの鉱夫の保護について懸念すると、ロバーツ会長は言う。
「MSHAは、粉じんの許容暴露水準を1立方メートルあたり2ミリグラムから、8ミリグラムにまで緩和する旨、提案している。この数値は、規則案の中には明記されていない」と同会長。「この数値は、その代わり、規則案全体にわたり、この値に至る(全てを要因として考慮した)一連の複雑な数式のなかに隠されている。MSHAは、炭坑夫に、電動ファン付呼吸用保護具を取り付けた保護帽(air
streamed helmets)気流式ヘルメットと称する呼吸用保護具の着用を義務付ければ、粉じん水準の増加は問題とはならないと考えている。UMWAは、この種の保護帽は扱いにくく、炭坑夫を十分保護すると実証された技術ではないと反論する」。 ロバーツ会長はまた、事業者から法定粉じんサンプリングをすべて引き継ぐという、MSHAの提案に懸念をみせた。「法定粉じんサンプリングについては、事業者の不正が多数報告されていることを考えれば、UMWAは、このニュースを歓迎するだろうと皆さんは思うだろう。しかし、われわれは、歓迎しない」とロバーツ会長。「というのも、UMWAの解釈するところでは、MSHA案では、当局がサンプリングをするのは、わずか年3回足らずであり、これは、事業者と当局が共同して実施しなければならない現行の90%減となる。さらに悪い事には、MSHAのサンプリング要件は、政策のみで、規則ではない。つまり、最低限のサンプリングさえ、保証されてはいないのである」。
OSHA、内部告発者手続きに関する暫定規則を発表
ワシントン − 労働安全衛生庁(OSHA)は、サーベンス・オクスレー法(Sarbanes-Oxley
Act)として知られる、企業改革法(2002年)(Corporate and Criminal Fraud
Accountability Act of 2002)の下で、内部告発者の申し立てを取り扱う手続きを確立する暫定最終規則について、コメントを求めている。同規則は、5月28日付フェデラル・レジスター(官報)に発表された。
企業改革法は、2002年7月30日に制定。株式上場会社、その請負業者や孫請け業者、あるいは代理人の従業員について、証券取引所委員会規則その他、株主に対する不正に関する連邦法規に違反していると、従業員が信じる情報を提供する際、これに対する報復から当該従業員を保護することを目的としている。
暫定規則は、従業員またはその代理人による差別の申し立てについて、迅速な取り扱い手続きを確立する。同規則には、サーベンス・オクスレー法下の申し立て、調査、調査結果の発表や仮命令に関する手続きが含まれている。規則の主要な部分は、起訴手続きや、当事者が調査結果にどう異議を申し立て、聴聞会を要求できるか、詳細に述べている。 「OSHAは、従業員が、報復を恐れることなく、正しいことを行い、他の問題について自由に発言できるようにした、内部告発者規則の施行に豊富な経験を有している」と、ジョン・ヘンショーOSHA長官は述べた。「OSHAの手続きが、このような環境に貢献し続けていけるよう、われわれは、この重要課題について、団体や個人から意見を聞きたい」。 コメント提出は、7月28日締め切り。http://ecomments.osha.govまたは電話:202-693-1861まで。
OSHA、オンラインでSARS情報提供
ワシントン − 労働安全衛生庁(OSHA)は、事業者や従業員に役立つ、重症急性呼吸器症候群(SARS)に関する情報を提供している。情報は、当局のウェブサイト、www.osha.govで閲覧できる。 「職場における安全衛生に関し、新しい問題が発生するため、もっとも必要としている人々に情報を届けることは肝要である」とジョン・ヘンショーOSHA長官は述べた。「SARSについて、われわれが知らないことはまだたくさんあるが、知っていることを共有するのは、リスクを評価し、適切な予防措置を講ずる際に、一人一人が情報に基づいた決定を下すのに役立つ」。 OSHAウェブサイトの情報には、職場におけるSARSのリスクを討議する上で、事業者を支援するパワーポイント図表や、SARS患者のいる職場で講ずべき予防措置に関する情報、SARSに関するその他の省庁のデータ表、ガイダンスや情報へのリンクも含まれている。
サービス業 |
サービス業は、3千9百万人以上の労働者を擁する最大の産業分野に成長した。また、多岐にわたる業務上の傷害がみられる。サービス業に関する最新データは、以下のとおり。
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2000年度のサービス業における傷害(死亡災害を除く) |
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出所:全米安全評議会、「Injury Facts」2002年 |
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看護師の注射針による負傷率、減少
バージニア州シャーロッツビル −
バージニア大学国際医療労働者安全センター(シャーロッツビル市)(The International Healthcare Worker Safety
Centera at the University of Virginia,
Charlottesville)の調査チームによる調査では、1993〜2001年の間で、注射針による負傷率は51%減少した。
ジャーナル「暴露予防の進歩」に発表されたこの調査によると、看護師の負傷リスクが低減しているのは、新技術によるところが大きい。負傷率の大幅減少は、従来型の注射針のほぼすべてに認められた。 大幅減のみられた分野には、静脈カテール、静脈切開針、充填済み注射器、翼状鋼鉄針とランセットが含まれる。 バージニア大学が統合するEPIネット複数病院における鋭利物による負傷データベースによると、看護師の負傷率は、1993年の100病床あたり19.5人から、2001年の100病床あたり9.6人に減少した。 「従来型器具による(負傷)率の減少(従来型器具の使用が全般的に減っていることを反映している)は、医療施設での使用が広まった安全器具による負傷率の増加を大幅に上回る」と、調査は結論する。 本調査の詳細は、http://hsc.virginia.edu/medcntr/centers/epinet/home.htmlを閲覧されたい。
長期介護労働者が不足 − 調査報告書
ワシントン − トミー・トンプソン保健社会福祉長官(Department of Health
and Human Service Secretary Tommy Thompson)とエレイン・チャオ労働長官(Secretary
of Labour Elaine Chao)は、高齢化するベビーブーム世代のニーズを満たすためには、2050年までに、現在雇用されている長期介護労働者の3倍もの人数を、米国は必要とするとした報告書を発表した。 長期介護労働者(看護師、準看護師、家庭衛生や個人介護労働者からなる)は、2000年には約190万人雇用されていたが、2050年には、国のニーズを満たすのに、約570万〜650万人が必要となる。 報告書は、現役の長期介護労働者を維持する、新規労働者を惹きつける、州・地方政府のイニシアチブを支持する、長期介護労働者の採用・維持に関する新モデルを試すことが、不可欠であると強調。長期介護労働者の需要増に対応するブッシュ政権の既存の対策の大半を、引き続き支持するよう強く求めている。一部を以下に紹介する。
- 直接介護労働者の採用・維持を増進する州・地方政府のイニシアチブを支援する。
- プログラムを通じて、長期介護労働者の訓練・教育支援を継続する。
- プログラムやプロジェクトを通じて、労働者災害補償、手当や安全に関する問題の吟味を継続する。
- 新しい労働力供給源を発掘し、現役労働力の妥当性を確実にする方法を支援する。
- 政策立案者向けの情報源となるような、長期介護労働者の質と利用可能性に関する調査の支援を継続する。
報告書はまた、潜在的な労働力不足を緩和するための手段や手法の概略を述べている。こうした勧告の一部を列挙する。
- 訓練・教育対策および看護再投資法の施行を継続する。ブッシュ大統領が2002年8月に署名した看護再投資法は、看護学生に対する経済支援プログラムや、公務発表を通じた看護職支援を創設する。
- 家族介護や家族の介護休養のためのボランティアをどう増員するか、宗教団体や地域社会団体に、アウトリーチ活動を実施する。
- 長期介護における賃金、手当、昇進、必要な技能や労働条件に関する対話に、事業者、従業員や州・地方公務員を引き込む。
- 中高年労働者、「困窮世帯一時支援」の元受給者、民間人へと転身する軍関係者、家族介護の経験のある個人や若者に手を差し伸べて、長期介護労働力の供給を拡大する方法を模索する。
報告書の閲覧を希望する場合は、http://aspe.hhs.gov/daltcp/reports/ltcwork.pdfまたはhttp://asp.hhs.gov/daltcp/reports/ltcwork.htmへアクセスするとよい。
5団体、州幹線道路安全同盟を結成
ワシントン − クリストファー・「キット」・ボンド(Cristopher "Kit"
Bond)上院議員(共和党、ミズーリ州選出)と5団体の役員は、近々予定されている立法措置における幹線道路安全の改善を求めて、州幹線道路安全同盟の結成を発表した。ボンド議員は、上院環境公共事業委員会の運輸社会基盤小委員会の議長を務める。 安全同盟は、米国州幹線道路運輸職員協会(州知事幹線道路安全協会、業務用車両安全同盟、米国自動車行政機関協会を含む)の会員団体が、今年度の連邦水陸運輸法の再認可に向け、提案した各々の安全政策案に、符合する分野が多いのに気づき、結成された。
「再認可の主要な分野のひとつで、これほどの規模の合意が、こんなに早い段階で形成されるのは前例がなく、これを推進する価値は確かにある」と、米国州幹線道路運輸職員協会のトニー・ケイン工学担当理事は言う。「しかし、われわれ全員が支持する安全改善を達成するには、運輸プログラム全体で予算を増やさせねばならない点で、われわれは皆、合意する」。
客室乗務員訓練の標準化法案
ワシントン −
客室乗務員に対し、首尾一貫した緊急訓練を提供し、認定書を付与する法案が、先日、下院に提出された。ニューヨーク州選出のニタ・ロウイ(Nita
Lowey)下院議員(民主党)とスー・ケリー(Sue
Kelly)下院議員(共和党)は、客室乗務員協会、AFL-CIO(アメリカ労働総同盟産業別労働組合会議)を代表する客室乗務員らとともに、客室乗務員が受ける緊急・保安訓練を標準化、認定する新法案を発表した。 現在のところ、航空会社各社は、連邦航空局が定める最小限の訓練方式に従わなければならない。しかし、客室乗務員協会によれば、同基準の適用放棄は、地方レベルでは日常的に行われており、その結果、同機種の航空機に対する訓練でありながら、この制度下の訓練プログラムは、どれひとつとして同じものはない。 客室乗務員協会は、基準の適用放棄を本社レベルのみでできるようにすれば、連邦航空局は、米国籍の航空会社の客室乗務員全員に、高水準の訓練を保証できると述べた。さらに、基準がひとつであれば、客室乗務員訓練は、転職者が転職先に携行できる。 同協会によると、現在、熟練乗務員は、解雇された場合や他の航空会社に転職した場合、新しい航空会社で、ゼロから訓練を始めなければならない。 新しい制度では、客室乗務員は、航空会社を問わず、乗務する特定機種での医療、保安、安全任務について、認定される。航空会社は、3〜8週間の訓練期間の代わりに、1〜2日間の再訓練ですむプロを季節要員として採用でき、費用を節約できる。 認定されるには、客室乗務員は、連邦航空局および運輸安全保障局が設けた訓練要件を首尾よく完了し、客室乗務員として定められた任務をうまくこなし、認可された熟練性検査を終了せねばならない。
国防省プログラム、航空事故の削減を目指す
ワシントン − エアロスペース・デイリー紙(Aerospace Daily)によれば、ドナルド・ラムズフェルド(Donald
Rumsfeld)国防省長官は、今後2年間で航空事故の半減をめざした、国防省キャンペーンの開始に関する覚書に署名した。 ラムズフェルド長官は、デビット・チュ−(David
Chu)人事・準備担当次官に、同キャンペーンの監督を指示した。チュ−次官は、安全運動実施の「詳細な指示」を出すとデイリー紙。 デイリー紙によれば、議会調査サービスは、国防省が、過去数年間、航空機事故の削減に実質的な進歩を見せてはいないと結論、ラムズフェルド長官自身も、安全問題が悪化しつつあると示唆している。 エアロスペース、・デイリー紙は、この新しいキャンペーンが、航空機事故のみならず、地上車両衝突、弾薬の不慮の爆発、船上火災についても取り組むよう期待する。この運動は、財務省で成功した事故削減プログラムを手本とする。
エアろ過システムの選択に関する新ガイドライン
ワシントン − トミー・トンプソン保健社会福祉省長官(Department
of Health and Human Service Secretary Tommy
Thompson)は、このほど、建物の入居者を化学的、生物学的または放射線攻撃から守るため、産官の設備専門家が、エアろ過・エアシステムを戦略的に選択・使用するのに役立つ、新ガイドラインを発行したと発表した。 ガイドラインは、事務所や小売店舗、学校、輸送機関のターミナル、屋内ショッピングセンターやスポーツ・アリーナなどといった建物内の空気ろ過を改善するのに、技術的決定を下す建築デザイナー、建築技師その他の人々の役に立つよう、企図してある。
文書「浮遊性の化学的、生物学的または放射線攻撃から建物内環境を保護するためのろ過・空気浄化システムに関するガイダンス」は、現在の国土安全保障省(The
Department of Homeland Security)である大統領官邸国土安全保障室(The White
House Office of Homeland Security)の作業グループとの協力のもと、国立労働安全衛生研究所(NIOSH)および疾病対策予防センター(The
Center for Disease Control and Prevention、アトランタ市)が開発した。
「これらのガイドラインは、緊急対応力を高めるだけでなく、職業性の呼吸器疾患のリスクを低減し、屋内の空気の質を改善し、維持・運転費用を削減する」と、ジョン・ハワード(John
Howard)NIOSH所長。「適切なろ過・浄化システムを選択・維持することで、建物の管理者は、職場内の空気を清浄に保ち、換気システムの効率を改善でき、職業性喘息、アレルギーその他の呼吸器疾患のリスクを低減できる」。 本ガイダンスは、www.cdc.gov/niosh/docs/2003-136/2003-136.htmlで閲覧可。印刷物を希望する場合は、電話:800-356-4674またはeメール:pubstaft@cdc.govへ連絡されたい。
ASSE、アスベストは依然、一大有害物質と指摘
イリノイ州デプレーンズ − 米国安全技術者協会(The American Society
of Safety Engineers : ASSE)は、アスベストがいまだに職場での重大な安全問題である旨、会員に喚起する新聞発表を刊行した。 ASSEのジェフ・キャンプリン(Jeff
Camplin)理事補佐(環境慣行専門)によれば、アスベストを含有する資材は、米国内でまだ生産されている。1989年に環境保護局(EPA)は、あらゆる形のアスベスト製品を禁止したが、1991年、米国第5巡回控訴裁判所の判決で、ほとんどの資材に対する禁止が無効となった。
「後戻り − アスベスト再帰」と題する論文で、キャンプリン氏は、アスベスト含有資材でまだ輸入もしくは製造されている可能性のあるものとして、セメント、波型および平状せき板、衣類、配管被覆材、屋根用フェルト、ビニール床材、セメント屋根板、ミルボード(板紙)、セメントパイプ、自動変速器の部品、クラッチうわ張り、摩擦材、ディスクブレーキ・パッド、ドラムブレーキの裏張り、ガスケット、非屋根被覆剤や屋根被覆剤などを挙げている。 この論文は、ASSEの専門安全ジャーナルに発表されるが、このなかでキャンプリン氏は、アスベスト問題はさらに大きくなる可能性があると警告する。また、アスベストは、2001年における不法行為費用増の単一、最大の要因であり、アスベストがらみの支払い請求に関連した債務は、60億ドル増となったと、キャンプリン氏は述べる。 現在、粉じんのアスベスト検査を義務付ける連邦規則は存せず、粉じん中のアスベスト汚染を調べる現行の分析手法は問題があると、キャンプリン氏は指摘する。
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