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NSC発行「Safety + Health」2003年7月号

産業特集

公益事業

ASSE、アスベストは依然、一大有害物質と指摘

 イリノイ州デス・プレイネス − 米国安全技術者協会(The American Society of Safety Engineers : ASSE)は、アスベストがいまだに職場での重大な安全問題である旨、会員に喚起する新聞発表を刊行した。
 ASSEのジェフ・キャンプリン(Jeff Camplin)理事補佐(環境慣行専門)によれば、アスベストを含有する資材は、米国内でまだ生産されている。1989年に環境保護局(EPA)は、あらゆる形のアスベスト製品を禁止したが、1991年、米国第5巡回控訴裁判所の判決で、ほとんどの資材に対する禁止が無効となった。
 「後戻り − アスベスト再帰」と題する論文で、キャンプリン氏は、アスベスト含有資材でまだ輸入もしくは製造されている可能性のあるものとして、セメント、波型および平状せき板、衣類、配管被覆材、屋根用フェルト、ビニール床材、セメント屋根板、ミルボード(板紙)、セメントパイプ、自動変速器の部品、クラッチうわ張り、摩擦材、ディスクブレーキ・パッド、ドラムブレーキの裏張り、ガスケット、非屋根被覆剤や屋根被覆剤などを挙げている。
 この論文は、ASSEの専門安全ジャーナルに発表されるが、このなかでキャンプリン氏は、アスベスト問題はさらに大きくなる可能性があると警告する。また、アスベストは、2001年における不法行為費用増の単一、最大の要因であり、アスベストがらみの支払い請求に関連した債務は、60億ドル増となったと、キャンプリン氏は述べる。
 現在、粉じんのアスベスト検査を義務付ける連邦規則は存せず、粉じん中のアスベスト汚染を調べる現行の分析手法は問題があると、キャンプリン氏は指摘する。