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NSC発行「Safety + Health」2003年8月号
産業特集
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農薬安全違反で、EPA最高額の罰金
ワシントン−「連邦政府は、法律に従わず、労働者を危険な状態にさらす農場経営者に容赦しない」とEPAのジョン・ピーター・スワレズ法規施行・遵守確保担当長官補佐(John Peter Suarez, Assistant Administrator for Enforcement and Compliance Assurance)は、コロラド州(Colorado)の農場経営5社に対し、労働者保護基準(Worker Protection Standard)違反のかどで、罰金を課金した。このなかには、民事罰としては空前の最高額の罰金も含まれている。
課金されたのは、David Petrocco Farms Inc.(ブライトン市、Brighton)、Bauserman Farms Inc.(マンザノラ市、Manzanola)、Dionisio Farms(プエブロ市、Pueblo)、Villano Brothers Inc.(フォートラップトン市、Fort Lupton)およびMJ Farms Inc.(コマースシティ、Commerce City)の5社である。
David Petrocco Farms Inc.の場合、EPAは229件の違反を摘発し、連邦虐待罪でEPA史上最高額の民事罰金、231,990ドルを課した。違反には、農薬安全、非常事態および用法に関する情報の主要箇所への掲示違反が含まれる。
EPAは、農業労働者や農薬取り扱い者の農薬中毒や傷害のリスクを減らすことを目的とした労働者保護基準や、連邦殺虫剤・殺菌剤・殺鼠剤法(Federal Insecticide, Fungicide and Rodenticide Act)の違反に対し、民事罰金を課した。
クレーン・デリック委員会、安全基準に取り組む
ワシントン− OSHAは、建設業における現行のクレーン・デリック基準を改定する、クレーン・デリック協議型規則作成委員会(Crane
and Derrick Negotiated Rulemaking Committee)を新設した。
この諮問委員会は、委員25名と、委員会の長を務め、協議や交渉を進める上で委員を支援する進行役1名で構成される。OSHAも、委員会の一員である。
委員らは、主要課題を特定し、その重要性を評価し、課題解決のために必要な情報を分析し、規則案の対象範囲や内容について、合意形成に努める。規則案は、合意されると、ジョン・ヘンショーOSHA長官に提出され、その後、刊行され、一般からの意見を求める。
オレゴン州OSHA、コンクリート建設規則を修正
オレゴン州セイレム(Salem, OR)−オレゴン州労働安全衛生局(Occupational Safety and Health Division)は、先日、オレゴン行政規則(Administrative Rules)第437章3/Q節、コンクリート・石造建設を修正した。
新規則は、石造建設プロジェクト期間中の労働者の安全を確保するため、基準の義務化を求める業界専門家の要請を受けて、採択された。オレゴン州OSHAによれば、現行の規則では、石壁の「転覆や崩壊予防のための適切な筋かい(ブレーシング)」という基準を満たそうにも、具体的な手順が示されていなかった。当局は、今回の修正で、「適切な筋かい」の定義はずいぶんと明確になり、石壁の建設に携わる、あるいはその周辺で働く労働者の安全をより一層向上させると述べた。
規則には、直線コイル・ループ(straight coil loops)の用法、ブレーシング・システムの仕様や、風速25マイル/時を超えた場合に実施すべき手順なども追加された。
新基準は、オレゴンOSHAの職場再設計プログラム助成金(Worksite Redesign Program grant)のもと開発された。新規則のその他の修正箇所や条文については、www.orosha.orgで閲覧できる。
サービス業 |
旅館の安全 |
労働統計局によると、ホテル、アパート、キャンプその他の宿泊施設を包含するSICグループ70は、死亡災害を除く労働傷病率が、サービス業部門でもっとも高い。
2001年9月〜2002年8月の期間中で、OSHAが召喚した違反行為およびその罰金額の上位5位は、以下のとおり。 |
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基準 |
召喚件数 |
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罰金額 |
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備 考 |
1910.1200 |
42件 |
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11,385ドル |
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ハザード・コミュニケーション |
1910.305 |
31件 |
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10,337ドル |
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電気部品、機器 |
1910.303 |
21件 |
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8,420ドル |
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電気システム設計、一般 |
1910.1030 |
20件 |
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4,150ドル |
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血中病源体 |
1910.147 |
15件 |
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5,010ドル |
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ロックアウト/タグアウト |
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ASSE、新しい眼と顔面保護基準を支持
デンバー(Denver)−米国安全技術者協会(American Society of Safety Engineers: ASSE, イリノイ州デス・プレイネス、Des Plaines, IL)は、アメリカ国家規格協会(American National Standards Institute: ANSI, ワシントン)の改訂Z87.1-2003労働、教育用眼と顔面保護具実践基準(Z87.1-2003 Practice for Occupational and Educational Personal Eye and Face Protection Devices standard)を承認する旨発表した。同基準は、1989年以来、改訂されていなかった。
「これは、過去14年間、更新されていなかっただけになおのこと、労働安全衛生における重要な展開である」と、米国安全技術者協会Z87眼と顔面保護委員会のダン・トーガソン(Dan Torgerson)副委員長は述べた。
基準には、使用される眼と顔面保護具が、同基準の衝撃試験要件を満たすよう徹底するための、警告ラベルに関する新しい項が設けられた。また、可燃性、透過性、手入れのしやすさ、くもり具合などについての一般的な試験手法も含まれている。指数変換テストや遮光性テストに関する新情報も盛り込まれている。
新基準ではさらに、国立労働安全衛生研究所(National Institute for Occupational
Safety and Health: NIOSH)承認の衝撃の危険性や眼への刺激物からも保護する陽圧型(非密着型)と負圧型(密着型)の呼吸用保護具及び衝撃や光からも保護する溶接用呼吸用保護具について取り扱っている。
米国安全技術者協会は、この新基準を再検討する会議を、今月開催する。詳細は、www.asse.orgを参照のこと。
炭鉱用衛生トイレ最終規則
ワシントン−鉱山安全衛生庁(Mine Safety and Health Administration: MSHA)は、7月23日、地下・地表炭鉱の衛生トイレの認可に関わる申請要件およびこれに付随する書類作成の負担を撤廃する旨の最終規則を発表した。
最終規則は、鉱夫、鉱夫代表者、鉱山事業者、当局の遵守専門官およびメーカーに通知する。同規則は、衛生基準になんら実質的な影響を及ぼすものではない。認可トイレの型式については、アメリカ国家規格協会(ANSI、ワシントン)の設ける要件を引いている。
坑内テストを経て、炭じん規則作成の見込み
バージニア州アーリントン(Arlington, VA)−デイブ・ローリスキー鉱山安全衛生担当労働副長官(Dave Lauriski, Assistant Secretary of Labor for Mine Safety and Health)は、吸入性炭じんに関する規則作成作業を中止し、鉱夫代表や炭鉱経営者が好む新しい保護技術、粉じん用個人サンプラーの調査を急ぐとの決定を発表した。
ローリスキー副長官は、規則作成に寄せた関係者からの情報を考慮し、ウェストバージニア(West Virginia)州の炭鉱で行った試作サンプラーの鉱内テストの仮成功を受けて、今回の決定を下した。テストは、国立労働安全衛生研究所(NIOSH)が実施した。
「記録を公開することにより、粉じん用個人サンプラー技術に関する最良の情報を収集できる。テスト期間の終了時には、坑夫の黒肺病の危険性を減らす最終規則を手に、新しい建設的な方向へと前進したい」とローリスキー副長官。「この措置を講じることで、坑夫一人一人を毎日、健康で安全な状態で帰宅させるという、鉱山安全衛生庁(MSHA)の目標を支持する」。
吸入性炭じん規則案を繰り延べる決定には、次の行動方針が含まれる。
- 鉱山安全衛生庁は、NIOSHとの共同作業を続けて、ペンシルバニア(Pennsylvania)、ウェストバージニア(West
Virginia)、アラバマ(Alabama)、ユタ(Utah)4州の炭鉱で、向こう数ヶ月間、粉じん用個人サンプラー試作品の鉱内テストを完了する。
- 鉱山安全衛生庁とNIOSHが坑内テストを前向きに評価した場合、両当局は、粉じん用個人サンプラーの量産型試作品購入のため、それぞれ15万ドルの拠出を約束する。
- メーカー、業界、坑夫代表者、NIOSHとの協同作業で、粉じん用個人サンプラーの量産型試作品を米国中の炭鉱で使用する。MSHAの目標は、粉じん暴露のモニターに関する新要件を策定することとなる。
暫定的には、鉱山安全衛生庁は、現行の吸入性粉じん規則を引き続き、施行する。詳細については、www.msha.govを参照のこと。
諸州、幹線道路再認可法案に失望
ワシントン−州知事幹線道路安全協会(Governors Highway Safety Association)のキャスリン・スワンソン(Kathryn Swanson)会長は、運輸省(Department of Transportation)の最近発表した幹線道路再認可法案に、失望の意を表明した。
2003年運輸安全・責任・弾力・効率法(Safe, Accountable, Flexible and Efficient Transportation Act of 2003)、俗にSAFETEAと呼ばれるこの法案は、州の幹線道路安全プログラムの枠組みを示すもので、ドライバーその他の道路利用者の行動に影響を及ぼす。
スワンソン会長は、協会がSAFETEAに反対する主な理由は、幹線道路安全行動プログラムに対する予算が、問題の大きさに比べて少ないことにあるという。SAFETEAの予算レベルが採択されると、2004年度の行動プログラム予算は、2003年度と同額のおよそ4億5千万ドルとなる。
「進展を望むのであれば、当局の要求額をはるかに上回る予算が必要となる」とスワンソン会長。
同協会はまた、州幹線道路安全プログラムに対する連邦政府の管理を拡大するよう勧告する安全団体に対し、質問するよう、議会に要請した。
衝突事故判断基準ガイドライン、改訂される
ワシントン−州知事幹線道路安全協会、連邦幹線道路局(Federal Highway Administration: FHWA)、全米幹線道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration)および連邦自動車運輸安全局(Federal Motor Carrier Safety Administration)は、基本統一モデル衝突事故判断基準ガイドライン(Model Minimum Uniform Crash Criteria Guideline)第2版、改訂版を開発した。ガイドラインの開発にあたっては、数多くの州、地方当局も協力した。
新しく改訂されたひとつに、死亡、人身事故または1千ドル以上の物損を伴う全ての衝突事故について、データを収集するようにとの州当局への勧告がある。いくつかの州では、死亡、重傷やレッカー移動が必要なほどの車両損壊の場合のみ、書類を作成している。新ガイドラインではまた、不注意運転が衝突事故の一因となっていたかどうか、追跡するよう、州当局に勧告している.赤信号などの課題も浮上している。
ガイドラインは、www.ghsa.orgで閲覧できる。
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