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NSC発行「Safety + Health」2003年8月号

産業特集

 鉱業 

坑内テストを経て、炭じん規則作成の見込み

 バージニア州アーリントン(Arlington, VA)−デイブ・ローリスキー鉱山安全衛生担当労働副長官(Dave Lauriski, Assistant Secretary of Labor for Mine Safety and Health)は、吸入性炭じんに関する規則作成作業を中止し、鉱夫代表や炭鉱経営者が好む新しい保護技術、粉じん用個人サンプラーの調査を急ぐとの決定を発表した。
 ローリスキー副長官は、規則作成に寄せた関係者からの情報を考慮し、ウェストバージニア(West Virginia)州の炭鉱で行った試作サンプラーの鉱内テストの仮成功を受けて、今回の決定を下した。テストは、国立労働安全衛生研究所(NIOSH)が実施した。
 「記録を公開することにより、粉じん用個人サンプラー技術に関する最良の情報を収集できる。テスト期間の終了時には、坑夫の黒肺病の危険性を減らす最終規則を手に、新しい建設的な方向へと前進したい」とローリスキー副長官。「この措置を講じることで、坑夫一人一人を毎日、健康で安全な状態で帰宅させるという、鉱山安全衛生庁(MSHA)の目標を支持する」。
 吸入性炭じん規則案を繰り延べる決定には、次の行動方針が含まれる。
  • 鉱山安全衛生庁は、NIOSHとの共同作業を続けて、ペンシルバニア(Pennsylvania)、ウェストバージニア(West Virginia)、アラバマ(Alabama)、ユタ(Utah)4州の炭鉱で、向こう数ヶ月間、粉じん用個人サンプラー試作品の鉱内テストを完了する。
  • 鉱山安全衛生庁とNIOSHが坑内テストを前向きに評価した場合、両当局は、粉じん用個人サンプラーの量産型試作品購入のため、それぞれ15万ドルの拠出を約束する。
  • メーカー、業界、坑夫代表者、NIOSHとの協同作業で、粉じん用個人サンプラーの量産型試作品を米国中の炭鉱で使用する。MSHAの目標は、粉じん暴露のモニターに関する新要件を策定することとなる。
暫定的には、鉱山安全衛生庁は、現行の吸入性粉じん規則を引き続き、施行する。詳細については、www.msha.govを参照のこと。