このページは国際安全衛生センターの2008/03/31以前のページです。
NSC発行「Safety + Health」2003年9月号

ニュース

OSHA、自主的保護プログラム(VPP)参加資格の変更を検討

 ワシントン − 労働安全衛生庁(Occupational Safety and Health Administration: OSHA)は、注目を集めている当局の自主的保護プログラム(Voluntary Protection Program: VPP)を、より多くの企業が参加しやすいものにしようと考えている。自主的保護プログラムは、ジョン・ヘンショーOSHA長官(John Henshaw, OSHA Administrator)の優先課題で、参加企業の増大を狙う。
 7月25日付けの官報(Federal Register)に発表された修正案は、VPPスター・プログラム(Star Program)の参加要件として用いる基準傷害及び疾病率(benchmark injury and illness rate)を変更する。スターは、企業が獲得しうる最高水準である。修正案はまた、メリット・プログラム(Merit Program)への建設企業の参加資格にも適用される。メリット・プログラムには、全米のおよそ1千社の企業が参加している。
 スターVPP参加資格を定めるにあたり、OSHAは、企業の傷害及び疾病率と全産業傷害及び疾病率とを比較する。こうした基準傷害及び疾病率は、毎年、労働統計局が刊行する。スターVPPに参加するには、傷害及び疾病率は、基準傷害及び疾病率より低くなくてはならない。現在用いられている基準傷害及び疾病率は、労働統計局発表の最直近年の全産業平均非死亡傷害及び疾病率のニつである。OSHA修正案は、発表された直近3年間のうちの最低1年について、二つの全産業平均率より低ければよいとする。
 修正案ではまた、スター資格要件を満たさない建設現場については、当該企業の全社規模の傷害及び疾病率が、3年間、基準傷害及び疾病率より低ければ、メリット・プログラムへの参加を検討するとOSHAは述べた。
 OSHAは、労働統計局の一部の産業別傷害及び疾病率の実質的な年変動で、VPP応募者や参加企業の数社に影響が出るのを懸念してきたと言う。当局によると、産業によっては、年率が20〜30%変動するのも異常ではないという。こうした変動で、目標値は予測不能で推移することとなり、ある年では、一産業の傷病状況を的確に表していないこともありうるとOSHAは述べた。
 今回のVPP修正案は、傷害及び疾病率変動の影響を減らすことを意図したものであるとOSHAは述べた。

VPPプログラム

メリット − 優良な安全衛生プログラムを有する事業場を承認。ただし、スター資格を得るには、追加措置を講じなければならない。
スター − 安全衛生で最高水準の実績を示した事業場を承認。
スター・デモンストレーション − スター資格のプログラムを有するが、現行のスター要件とは異なる実験的アプローチの実演および/または試験を義務付けられている。

出 所:自主的保護プログラム参加者協会(Voluntary Protection Programs Participants' Association、2003年)