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NSC発行「Safety + Health」2003年10月号

産業特集

 製造業 

新規則で、金属塗装時の毒物排出を削減

 ワシントン − 8月、環境保護庁(EPA)は、二つの最終規則を公布、これで、金属缶の表面塗装や各種金属部品の表面塗装からの有毒な大気汚染物質の排出を減らす。
 規則のひとつは、EPAによれば、金属缶の表面塗装で生じる有毒な大気汚染物質の排出を、年間約6,800トン削減する。これは、1997年の推定基準値の70%削減に相当する。
 金属缶の表面塗装には、製缶工程のあらゆる段階での金属缶または端板(装飾用のブリキ缶を含む)や、金属製の王冠や栓の塗装工程が含まれる。金属缶の表面塗装作業では、エチレングリコールモノブチルエーテルやその他のグリコールエーテル、キシレンやヘキサンなど、多くの有毒な大気汚染物質が排出される。これらの有毒な大気汚染物質への暴露は、ガン、呼吸器官の炎症や神経系の損傷などといった健康被害をもたらすこともある。
 二つめの規則は、EPAによると、各種金属部品、金属製品の表面塗装で生じる有毒な大気汚染物質の排出を、年間およそ26,000トン削減する。これは、1997年の推定排出量の48%減である。
 各種金属部品、金属製品の表面塗装では、キシレン、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、フェノール、エチルベンゼン、グリコールエーテルなど、多くの有毒大気汚染物質が排出される。これらの汚染物質へ暴露すると、目や肺、粘膜の炎症、中枢神経系への影響、肝臓の損傷などといった健康被害が生じうる。
 ニ規則の詳細は、www.epa.gov/ttn/oarpg/new.htmlで参照可。