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NSC発行「Safety + Health」2003年11月号

ニュース

高校最上級生の6人に1人が薬物運転

 ボストン(Boston) − 最近の調査で、米国の高校最上級生の6人に1人が、大麻(marijuana:マリファナ)使用での自動車運転を認めた。また、SADD/リバティ・ミューチュアル(SADD/Liberty Mutual)が実施した調査では、対象者のティーンエイジャーの41%が、薬物使用後の運転を気にしないと回答した。
 「現在のティーンエイジャーは、大麻について間違ったメッセージを受け取っている」と、全米薬物管理政策(National Drug Control Policy, メリーランド州ロックビル市、Rockville)の所長ジョン・P・ウォルターズ医学博士(John P. Walters, director, MD)は述べた。「大麻は有害であり、ハイの状態で車を運転するとか、ハイのドライバーに乗せてもらうというような、危険な決断を招く。新米ドライバーの親たちには、わが子の運転免許取得を機に、大麻の危険性や運転の際の責任について話し合うよう、奨励する」。
 ノーマン・ミネタ運輸長官(Norman Mineta, Transportation Secretary)は、「ティーンエイジャーは、年齢階層別では、最大の衝突事故のリスクがあり、衝突事故は、15〜20才の若年者層の死亡原因の首位となっている。薬物使用や、運転経験の少なさ、危険を顧みない行動が複合して、大惨事を招く」。
 「薬物使用での運転(Drugged Driving)」報告は、薬物使用と健康に関する全米調査(National Survey on Drug Use and Health)から9月16日に発表された。これによると、2002年には、昨年1年間で17〜18才の若年運転者の10〜18%が、違法薬物を使用して運転したと報告している。また、運転年齢の若年者(16〜19才)が大麻を使用する可能性は、これより若い年齢層(12〜15才)の4倍である。
 推定値は、未来観測・国勢調査局(Monitoring the Future and Census Bureau)のデータを基にしたもので、全米の高校最上級生約4百万人のうち、およそ6人に1人(60万人)は、大麻を使用した上で運転している。この数は、飲酒運転者の数(64万人)にほぼ匹敵する。
 これらの生徒のうち、2001年に衝突事故を起こしたと報告したのは、大麻使用で3万8千人、飲酒運転で4万6千であった。
 運輸省および関係団体は共同で、12月に全米飲酒薬物運転注意喚起月間(National Drunk and Drugged Driving Awareness Month)を推進する。